堤監督は感心「正確無比の芝居をする男だなって」

舞台あいさつに参加した（左から）堤幸彦監督、田中圭、のん、滝藤賢一、若村麻由美【写真：ENCOUNT編集部】

　映画『私にふさわしいホテル』（公開中）公開記念舞台あいさつが28日、都内の劇場で行われ、のん、田中圭、遠滝藤賢一、若村麻由美、堤幸彦監督が登壇した。 【写真】のん、田中圭、滝藤賢一、高石あかり、堤幸彦監督らが登壇　イベントでの集合写真などアザーカット 　作家・柚木麻子氏による小説が原作。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、「いつかこのホテルにふさわしい作家になりたい」と夢見る新人作家の中島加代子が、大手出版社の編集者・遠藤道雄の力を借り、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていくストーリーだ。 　主人公・加代子を演じたのんは「普段言えないような暴言を吐いたり啖呵（たんか）を切ったり、面白いシーンがあった。（遠藤演じる大御所作家の）東十条とは首を締めあったり、編集者の遠藤さんともハラハラするシーンがたくさんあった。すごく楽しかった」といい、「加代子は難しい役。小説にかける情熱だけは純粋で、それ以外はどう思われてもいい人。その純粋さを気を付けて、それ以外は純粋さの欠片もないというイメージ」と語った。 　これまで堤監督作品に何度も参加している田中は、自身の出演が決まっているのにもかかわらず、女性役オーディションに足を運び相手役を務めたという。堤監督は「オーディションでは何十人もいるので毎回同じ演技をしないといけない。田中さんは最初は同じことやっていたけど、だんだん僕が飽きてきちゃって。『次は渡部篤郎でやってみようか』とかオーダーして、全部その通りにやってくれた」と明かし、「そこから正確無比の芝居をする男だなって」と感心していた。 　田中は「貴重な経験」と話しつつも、「いま考えるとすごいですよね。なんで僕がオーディションの相手で呼ばれていたんですか？　女性のオーディションしているはずなのに、監督含めたスタッフが俺のモノマネでケラケラ笑っているから大丈夫かなって……」と苦笑い。堤監督も「普通、役の人はやらないですよ」と“異例”だったと振り返った。 　最後に、のんは劇中で登場する“文豪コール”をファンの前で披露。小道具のシャンパンを持って、カンペなしでコールした。“文豪コール”は堤監督が考案したもので、「5分で考えた」と明かされると、のんは「そんなに短いんだ！」と驚いていた。