福島県内相次ぐスリップ事故、交通網乱れ 三ノ倉スキー場は9、10日の営業中止
日本列島の日本海側を中心に大雪となった9日、福島県内ではスリップが原因とみられる事故などが相次いだ。 県警によると、9日午前0時~同8時半に県内でスリップが原因とみられる事故が計15件(速報値)発生。いずれも物損事故で、半数を超える8件が会津方部で起きたという。福島市消防本部によると、9日午後、福島市土湯温泉町横道の国道115号でタンクローリーが横転し、運転手の50代男性がけがをした。タンクローリーがスリップしたとみられる。東北道では9日夜、二本松インターチェンジ(IC)ー安達太良サービスエリア(SA)間上り線で3件の単独事故があり、福島西ー本宮IC間上り線が午後9時10分ごろから通行止めとなった。路面は凍結していたとみられ、県警高速隊が原因を調べている。 東北電力によると、喜多方市では9日夜に約2300戸が停電し、東北電が雪の影響かどうかを含めて原因を調べている。 また、喜多方市の三ノ倉スキー場では9、10日の営業が中止となった。スキー場を運営する市ふるさと振興によると、スキー場までの連絡道路が雪で通行困難となったことやゲレンデの雪が多く、圧雪ができないことなどから判断した。11日からの3連休の営業に向け、準備を進めるという。 県内では8日夜から9日にかけて、磐越道の通行止めや在来線の運休など交通網が乱れた。JR磐越西線は磐梯熱海ー会津若松駅間が始発から運休となり、観光で会津若松市を訪れ、郡山駅に向かう予定だった名古屋市の会社員男性(70)は「これほど積もるとは思わなかった。何とか再開してほしい」と話した。 会津坂下町に本社があり、本宮市と新潟県に営業所を持つ佐藤商事は、磐越道と国道49号の通行止めでトラック3台の運行に影響が出た。特に、中通りから新潟県に荷物を運ぶはずだったトラックが一晩、足止めを余儀なくされたという。降雪は10日まで続く見込みで、担当者は「(ドライバーに)食料と水を多めに持ち、立ち往生などの事態に備えるよう呼びかけている」と心配そうに話した。
福島民友新聞