ALS患者のバリスタが“遠隔接客”…『分身ロボットカフェ』期間限定オープン「誰もが諦めなくていい社会に」
名古屋市中区の「リッチモンドホテル名古屋納屋橋」に、障害者が遠隔でロボットを操作して接客する「分身ロボットカフェ」が、期間限定でオープンしています。 【画像】リーフレットを配るロボット
■障害者がロボットの遠隔操作し接客する「分身ロボットカフェ」
お客さんと会話するロボットに、ドリンクを運ぶロボットも。中区の「リッチモンドホテル名古屋納屋橋」に期間限定でオープンしている「分身ロボットカフェ」。 ロボットは、重度の障害や難病で外出が難しい人が遠隔操作し、接客ができます。 店の前には、リーフレットを配るロボットも。 遠隔操作しているのは、ALS=筋萎縮性側索硬化症の患者で、愛知県東海市に住む藤田美佳子さん(53)で、このカフェで働くバリスタの1人です。 ALS患者の藤田美佳子さん: 普段、家の中で過ごしていると、なかなか社会とつながれるきっかけというのはないんですけども。外の社会とつながれて世界が広がりました。
■悲しい涙は感動の涙に…“足を使って”接客
藤田さんは以前、バリスタとしてカフェで働いていましたが、2017年に全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「ALS」と診断されました。腕を動かすことができず、ヘルパーの介助を受けていますが、足を使ってスマホを操作し、メールなどをしています。 そして、わずかに動く手の指でマウスを動かして、分身ロボット「オリヒメ」を操作し、カフェの接客をしています。 ALS患者の藤田美佳子さん: 今までは病気で悲しくて悔しくて涙することが多かったんですけど、嬉しくて感動する涙がとっても増えました。
■「諦めなくていいんだって」可能性広げる分身ロボット
分身ロボットカフェは、オリヒメを開発したオリィ研究所が2021年、東京・日本橋にオープンしました。ここではロボットがコーヒーをいれることができます。 一時は働くことを諦めていた藤田さんは、この店で再びバリスタとなり、期間限定の名古屋店でも働いています。 ALS患者の藤田美佳子さん: ただいまリーフレットをお配りしております。お受け取りいただけるとうれしいです。 遠隔操作でリーフレットを配るのはこの日が初めてでしたが、ロボットを通じて世界がさらに広がりました。 客A: 分身かわいい!(本人に)会いたくなるよね。 客B: まるでここに人がいるように感じる。 ALS患者の藤田美佳子さん: 誰もが諦めなくていいんだって、選択肢が広がる社会になればいいなと、とても思います。 名古屋の分身ロボットカフェは11月17日まで営業しています。 (東海テレビ)
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