元日に吹っ飛んだ夫婦の旅 話の肖像画 報道カメラマン・宮嶋茂樹<1>
«被災地はかつて訪れた場所も多く、目の当たりにした現場の衝撃は大きかった»
輪島市には平成15年に能登空港が開港したとき、「週刊文春」の取材などで何度も訪れていました。それだけに観光名所の「朝市通り」近辺の火災はショックでした。火災現場には4日に入ったのですが、まだ煙が出ていて、阪神淡路大震災で焼け野原になった神戸市長田区を思い出しました。永井豪記念館とか輪島塗の老舗とか、変わり果てた街並みを目の前にしたときは言葉が出ませんでした。
能登半島地震の被災地は、これまでの震災と比べると土砂崩れと地割れがひどいという印象です。4月までに3回行きましたが、復旧はまったく進んでなくて、これまでの教訓が生かされていないと感じています。ゆかりが深い能登半島を今後も注意深く見守っていきたいと思っています。(聞き手 芹沢伸生)
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宮嶋茂樹
みやじま・しげき 昭和36年5月、兵庫県明石市生まれ。日大芸術学部写真学科卒業後、写真週刊誌「フライデー」の専属となり、62年からフリーカメラマン。平成8年、東京拘置所収監中の麻原彰晃被告(当時)のスクープ写真で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」受賞。「儂は舞い降りた アフガン従軍記」「ウクライナ戦記 不肖・宮嶋最後の戦場」など著書や写真集多数。