妹尾和夫 まさかの「コント・パロディフライ」解散
大阪・妹尾の部屋で後輩・神谷からの相談
その後も、政府提供の番組で、タレントのなべおさみとともに司会を担当するなど、東京での活動が順調に進んでいった。そして、神谷も先輩にあたるラサール石井がやっていたラジオ番組のパーソナリティの代役を1週間任された。しかし、神谷の表情は暗くなっていった。 神谷の表情の変化に気づいてはいた。しかし「この苦しみを乗り切れば先が見える」と妹尾は前へ進もうとした。 そしてある日の夜、仕事の関係で大阪の妹尾の実家に泊まっていた神谷から「相談があるのですが」と声をかけられた。聞けば「自分は役者一筋の人間。コント赤信号の前座やパーソナリティはつらい」ということだった。 さらに、神谷は当時、メンバーのペコと交際していた。真剣に結婚を考えており、ペコの父親に「結婚を許す。その代わりに俳優、芸人はやめて普通の職業に就いてほしい」と言われ、相当苦しんでいた。 仕事が順調に増え「よーし、これからだ」という時のこの相談。正直、妹尾はつらかった。しかし、神谷はかけがえのない後輩、それを止めることはできなかった。そして「コント・パロディフライ」は静かに活動を終えた。 ■妹尾和夫(せのお・かずお)1951年11月17日大阪市大正区生まれ。20代半ばから大阪を拠点にドラマ「部長刑事」「必殺シリーズ」「暴れん坊将軍」に悪役で多数出演。現在、テレビ「せのぶら本舗」、ラジオ「とことん全力投球!!妹尾和夫です」(いずれもABC朝日放送)、「妹尾和夫のパラダイスKyoto」(KBS京都ラジオ)で活躍中。