マン・C戦に臨むレアル・マドリー、アンチェロッティ「とても緊張しているし苦しみも感じている。それが私のガソリンだ」
9日のチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにマンチェスター・シティを迎える。前日会見に出席したカルロ・アンチェロッティ監督は、昨季の対戦の敗戦を生かして、「ハートと意思の強さ」を持ってプレーする必要性を説いている。 マドリーとシティはCLノックアウトラウンドで3シーズン連続で対戦。2シーズン前の準決勝では1stレグ4-3でシティ、2ndレグ3-1でマドリーが勝利し、劇的に決勝進出を決めたマドリーが優勝も果たした。そして昨季準決勝は1stレグ1-1ドロー、セカンドレグ4-0でシティが勝負を制して、こちらも優勝を達成している。 昨季、悔しい敗退を喫したマドリーだが、アンチェロッティ監督はチームに足りなかった部分について、次のように語っている。 「私たちはハートと意思の強さを欠いてプレーしてしまった。こういった類の試合では必要不可欠なのだが、セカンドレグでそれを欠いてしまったんだ」 「もちろん、試合のいくつかのフェーズではフットボール自体も欠いていたし、メンタルだけでなく技術的な問題も抱えていた。彼らは前線から圧迫してきたが、私たちは他の解決策を探そうとはしなかった。今回のノックアウトラウンドでは、そうしたことを避けたいと思う」 イタリア人指揮官は、最終的に勝負の行方を分けるものとして、選手たちの質を挙げている。 「このノックアウトラウンドは質の高い選手たちの足に懸かっている。両チームともに質の高い選手たちを数多く擁しているのだからね。試合を決定付けるのは、ピッチ上にいる選手たちなんだ。そして、それとは別に戦略もあるわけだが、選手たちが確信を持って実行できるものでなくてはいけない」 「この試合には数多くの要素が含まれている。個人のクオリティー、デュエル、ディフェンス、カウンター……そのすべてを私たちはうまく扱わなくてはいけないんだ」 シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は現代最高の指揮官との呼び声が高いが、アンチェロッティ監督にはどう映っているのだろうか。 「別に不快ではないさ。グアルディオラは偉大な監督だが、彼と比較して自分がどう考えられているかなど、さして重要ではないよ。私にとって重要なのは、自クラブがどう考えているのか、だ。いずれにしても、グアルディオラが素晴らしい監督であることに疑いの余地はないよ」 そして、この一戦を前に緊張感を覚えているか問われると、こう返している。 「ああ、とても緊張しているよ。こういった試合の直前に個人レベルで覚える感情は、苦しみ、にほかならない。以前は敗戦が苦しみで、勝利が幸せだと考えていたが、そうではないんだ。勝利はただの安堵なんだよ。タイトルを勝ち取れるならばそれは幸せだが、一つの勝利は安堵でしかない」 「試合後の数日間には落ち着きや満足感もあるが、しかし苦しみも仕事の一部分であり、私に生きていると実感させるものだ。(緊張と苦しみは)私にとってガソリンなのさ」 アンチェロッティ監督はその一方で、今季のマドリー加入からいきなりエース級の活躍を見せているMFジュード・ベリンガムについても言及した。 「彼は良いシーズンを過ごしている。ペナルティーエリア内でも存在感を発揮しながらね。フィジカル的にも強靭で、チームを守備面で助け、ストライカーのためにスペースを創出してくれている」 「彼は本当に成熟しているよ。まだ20歳だがプロとして自覚があり、誠実で、謙虚だ。選手としての彼について私たちが驚くことはなかったが、人間としての彼については驚いたね」 「私たちのボールを保持したプレーは変化している。昨季はターゲットマンとしてベンゼマがいたが、今季の私たちにはセンターフォワードがおらず、その不在を機動性で補っている。良い感じだよ。前線のポジションを固定していないことも、この試合の鍵を握るのかもしれないね」