ヤクルト・村上宗隆、3連勝呼んだ魂ヘッスラV打 高津監督「大きな1点だった」 4位巨人連破で1・5差接近
(セ・リーグ、巨人0-3ヤクルト、10回戦、ヤクルト6勝4敗、22日、東京D)土にまみれたユニホームが勝利への執念の表れだ。ヤクルト・村上宗隆内野手(24)が、魂のヘッドスライディングで勝利を呼び込んだ。0-0の八回2死三塁。二遊間へ高く弾む遊ゴロを放つと、必死の形相で全力疾走し、一塁ベースに向かって頭から飛び込んだ。 一塁塁審の両腕が広がる。セーフの判定が出ると、燕の4番は倒れ込んだまま、両手で地面をたたいて喜んだ。勝利への熱い思いが決勝の適時内野安打を生み「(ヘッドスライディングは)無意識です。チームが勝てる1点だと信じていたんで、うれしかった」と歓喜。「僕というより、秀樹(長岡)の三塁打だったり、そういうのが1点につながった」。2死から三塁打を放って好機をつくった仲間への敬意も忘れなかった。 チームの勝利を何よりも願う男だ。ときには不振の仲間を気遣い、サポートする。ある日の試合前練習では、不調だったオスナに明るく声をかけて提案した。「一回、本塁打パフォーマンスの練習をしよう」。一緒にパフォーマンスの動作を行ったその後の試合で、オスナは約1カ月ぶりの本塁打を放った。チームのために気を配る献身性がある。 主砲は最近5試合は20打数5安打で、11三振。もがき苦しむ中でも、気迫を前面に出すプレーを貫いて3連勝に貢献し、高津監督は「本人は苦しいでしょうけど、耐えて勝利への姿勢を持ってグラウンドに立ってくれている。大きな1点だった」と評価した。 今季の東京ドームの巨人戦は負けなしの5連勝。4位・巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。「僕らは力のあるチーム。たまたま勝てているわけじゃなく、勝つべくして勝てる試合を取っている。自分たちでチームの雰囲気を高めながらやれればいい」と村上。チーム一丸ではい上がる。(武田千怜)