命に関わる危険な「頭痛」の見分け方…専門医に学ぶ!タイプ別頭痛の対処法【ドクター 坂井文彦】
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。 メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。 ドクターは、埼玉精神神経センター 埼玉国際頭痛センター センター長 坂井文彦先生です。 【動画】緊張型頭痛は筋肉をほぐすことで楽に!手軽にできて肩もスッキリする体操はこちらから【2分8秒~】 今回のテーマは「~頭痛外来の名医が解明!~命の危険も!?頭痛に潜む真犯人」 現在、日本人の4人に1人が「頭痛」に悩んでいると言われています。頭痛は原因によって正しく対処する事が大事だそうですが、その原因は分かっているだけで300種類以上もあるのだとか。そこで今回は、頭痛の原因や命に関わる危険な頭痛の見分け方などを専門医に教えてもらいました。
日本人は頭痛持ちが多い?
先生によると、日本人は頭痛持ちが多いそうです。海外では頭痛は病気と明確に判断されて治療を行うそうですが、日本では「たかが頭痛」と放置される事も少なくないのだとか。頭痛といってもさまざまな種類があり、起こり方も、痛み方も色々。そのなかから原因を突き止めて治療に結びつける事が大切だそうです。
「1次性頭痛」と「2次性頭痛」
頭痛は大きく「1次性頭痛」と「2次性頭痛」に分けられるそうです。 <1次性頭痛とは?> 1次性頭痛は、脳に異常がなく頭痛そのものが病気で慢性的に起こるもの。命に関わる事はありませんが、日常生活に支障をきたす場合もあるそうです。 <2次性頭痛とは?> 2次性頭痛は、脳の疾患が原因で起こる頭痛。急な痛みに襲われるのが特徴で命に関わる可能性があるのだとか。医師が2次性頭痛の可能性を見つけた場合は、MRIやCTなどの精密検査を行うそうです。
主な1次性頭痛と特徴
繰り返し起こる慢性的な頭痛には下記のようなものがあるそうです。 <(1)頭が締め付けられるような痛み「緊張型頭痛」> 緊張型頭痛は頭が締め付けられるような痛みが特徴。筋肉などの血行が悪化すると乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まります。これが痛みを感じる神経を刺激し頭痛を起こすと考えられているそうです。お風呂に入ると血行が良くなるため、疲労物質が流されて痛みが緩和されるのだとか。「頭が締め付けられるような痛み」「入浴すると痛みが和らぐ」に当てはまる場合は、緊張型頭痛の可能性があるそうです。 <肩こりと頭痛の関係> 肩こりで血行が悪化すると、筋肉に疲労物質が溜まります。すると、痛みを感じる神経を刺激して緊張型頭痛が生じる事があるそうです。 <睡眠の質も大切> 人は睡眠をとる事で日々の疲労を回復しています。大切なのはその質。睡眠時間がバラバラなどで体内のリズムが乱れると睡眠の質が下がります。すると、疲労が蓄積して肩こりが解消されず頭痛につながる事があるそうです。 <(2)ズキズキとした拍動性の痛み「片頭痛」> 「片頭痛」も1次性頭痛の一つ。言葉から勘違いされがちですが、片側だけでなく両側が痛む事もあるのだとか。片頭痛は、緊張型頭痛とは違い何らかの刺激で血管が拡張し、その拍動に伴い血管周囲を取り巻く三叉神経が刺激され、ズキズキとした拍動性の痛みを生じるのが特徴。「ズキズキした痛み」「動くと辛い」場合は、片頭痛の可能性があるそうです。 <外からの刺激が頭痛の引き金に!?> 片頭痛は、低気圧や人混みの匂いや音、光など外からの刺激に敏感に反応する事で血管が拡張し、痛みが出る事があるそうです。 <(3)緊張型頭痛と片頭痛が混合した「混合型頭痛」> 慢性的な頭痛のなかには、緊張型頭痛と片頭痛が混合している「混合型頭痛」の場合もあるそうです。 <痛み止めの飲みすぎで頭痛が起こる!?> 脳には痛みを調節する機能があり、命に関わらない痛みは自動的に解消してくれているそうです。しかし、痛み止めを使いすぎると痛みの調節機能が働かなくなり、逆に頭痛に敏感になってしまうのだとか。この薬の飲みすぎで起こる頭痛を「薬物乱用頭痛」と言います。適切な薬の使用は問題ないそうなので、記載されている用法用量はしっかり守りましょう。 <頭痛ダイアリーが治療の手掛かりに!?> 慢性的な頭痛に悩む方は、頭痛ダイアリーをつけると良いそうです。「いつ頭痛が起こりどれくらい続いたか」「どのような痛みか」「お薬を飲んだか」「その日の天気」など、日々の頭痛の状況を記録する事で、頭痛の特徴を知る事ができ治療を行う医師に頭痛の情報をしっかりと伝える事ができるそうです。(※頭痛ダイアリーは日本頭痛学会のHPでダウンロードできます)