士業専門コンサルタントが教える「プロ士業」の定義。(横須賀輝尚 経営者)
■大型法人士業、個人事務所、結局のところどちらがベストなのか?
それでは、「プロ士業」はどこにいるのか?まず、最低限の身分調査。要はその士業が国家資格を本当に持っているかどうか。これは、各士業のウェブサイトで検索することが可能です。実在すれば、当然ヒットします。いなかったら、ニセモノです。これは最低限の調査ですね。 それから、わかりやすさから見れば、依頼する士業が「法人」か「個人」かは、わかりやすいひとつの指標でしょう。ちなみに、法人でも「ひとり法人」の場合があるので、その場合は「個人事務所」に含めて考えてます。それぞれ、こんな傾向があります。 (1)個人事務所(ひとり~数名の職員を抱えた事務所。ひとり法人も含む。) 代表士業個人に、強く依存します。その代表士業の力量がすべて。職員が数人いる場合でも同じ。ほとんどの場合、ダイレクトに士業に相談できる点がメリット。個人差はありますが、土日祝日関係なく相談したい場合は、個人事務所との契約が有効です。法人は平日日中対応が多いので。ただし、代表士業への依存度が高いので、その士業が事故や病気になれば業務はストップしてしまうのが最大のネック。士業の多くはこの「個人事務所」に属します。 (2)法人(または10名以上の事務所) 大量受注が可能なのが特徴。多くの場合、代表士業が有能だとしても、末端の所属士業や職員が実務も熱意もトップに追いついていないことが多いといえます(あくまで傾向です)。個人事務所が、代表士業への依存度が高いことに比べ、法人の場合は複数の士業がいることから、ひとりが事故病気にあっても、替わりの担当者がつきますので、その点は安心です。ただし、法人=組織化なので、土日祝日の対応までしてくれる事務所は少数派。そんなところが特徴と傾向です。 では、どちらが良いかといえば、現段階ではやや個人事務所に軍配が上がります。なぜかというと、プロ士業は属人的な仕事なのです。つまり、個人の力量を見極めて依頼、契約するわけですから、大規模事務所だと担当士業ガチャを回すことになります。もちろん、中にはいます、有能な所属士業も。ただ、こればかりはガチャ次第なので、なんとも言えません。別の言い方をすれば、個人事務所の方が、見極めがしやすいともいえるでしょう。 「でも、もしその先生が事故や病気にあったら?」 その心配は、ストレートに士業に聞いてみてください。事故や病気は、正直防げるものではありません。そんな質問をするあなたも、事故や病気に遭わない可能性はゼロじゃないですよね?なので、そういった自身不在時の準備はできているか?それだけ確認して、もし良いプロ士業に出会えたら、健康管理をどのようにしているかだけ、確認しておきましょう。 プロ士業は、当然プロ士業とつながってますので、万が一の場合もきちんと後任を探してくれます。まあ、そういったリスク・マネジメント的なことも含めて、やはりプロ士業なんです。 別の言い方をすれば、それだけ「ただ士業がいる」のと「プロ士業を懐刀にする」のは違うということです。契約した士業が、本当に替えの効かない人材であり、卓越した知識と業務レベルを持っていて、さらに顧客との信頼関係もバッチリ…という状況で、たかだか事故や病気で数ヶ月直接の仕事できない状態では契約解除しませんよね?回復を待つはずです。それだけ、プロ士業は替えの効かない人材ということになります。