勇壮な桶振りで魅了 七久里神社秋季祭典 別名「けんか祭り」「奇祭」【長野県飯田市】
長野県飯田市山本の七久里神社(近藤政彰宮司)の秋季祭典宵祭りが9月28日、境内で開かれた。注目の「裸祭り」では腰にしめ縄を巻いた青年たちが仕掛け花火や大三国などの火の粉を全身に浴び、桶を頭上に持ち上げて威勢のいい声を上げた。 七つの平(集落)の氏子は、花火の打ち上げを合図に午後7時から練り込みを開始。祭典の花形「桶振り」の青年は、さらしを巻いた素肌にしめ縄を巡らせた独特な姿で、桶を高々と掲げながら参道を進んだ。参拝とおはらいを済ませると、各平ごと「出壁」に囲まれた会場に入場し、「神前」の花火を浴びながら桶を振り上げた。 氏子たちは拝殿に到着するまでの間、大きな日章旗や旭日旗を豪快に振ったり、玉箱を担いで左右に駆け回ったりし、かつて「けんか祭り」と呼ばれた勢いのある練り込みを見せた。 全ての平が会場入りすると、クライマックスの「連合大仕掛け花火」と「連合大三国」に点火。連合大三国では7人の青年が容赦なく降り注ぐ火の粉を浴びながら、柱の周りを周回して桶を振る大迫力の光景を繰り広げた。 「奇祭」として広く知られており、境内には県内外の見物客やアマチュアカメラマンが詰めかけ、青年たちの勇壮な姿に熱いまなざしと歓声を送っていた。 関重夫区長(73)は「今年も裸祭りを多くの人に観覧していただけた。来年以降にもしっかり引き継いでいきたい」と話していた。