角田裕毅のオーストリアGPは「ぶっつけ本番」で比較テスト ホンダも全面サポートでPUデータをアップデート
【シルバーストンまでに問題を解決したい】 今週末はスプリントフォーマットゆえに、フリー走行は金曜最初の1回しかない。 このFP1で比較テストが完了し、新型パッケージに問題ありと判断されれば、新型を担当したドライバーはスプリント予選とスプリントレースに向けて旧型仕様に戻し、ぶっつけ本番で戦うことになる。逆に、新型に明確なアドバンテージがあれば、旧型を担当したドライバーはぶっつけ本番で新型仕様に変更して戦うことになる。 FP1で確証が得られなかった場合には、スプリントも別々の仕様で走って、さらなるデータ収集を進める。そこで判断がついた場合には、土曜午後の予選に向けて仕様を変更し、ぶっつけ本番となる可能性もある。 つまり、今週末は新旧どちらを担当するドライバーにとっても、リスクを抱えた状態での週末になる。フリー走行が3回ある通常のレース週末ならば抱えなくてもいいリスクだが、一刻も早くこの問題を解決しておきたいというチーム全体の意思がある。 「できるだけ早く答えを見つけたいですし、逆に(次戦イギリスGPの)シルバーストンまで伸ばしたくない。だから100パーセント理解するためにフリー走行が1回しかないとわかっていても、今回このアプローチを採ったということです。 もちろんポイントは狙いに行きますが、最悪の場合はスプリントのあとに予選・決勝に向けて(新型がダメだった場合は旧型に)戻すこともできる。スプリントもテスト的な位置づけになる可能性があります」(角田) この口ぶりからすれば、角田が新型を担当する可能性が高そうだ。それはチームの新型パッケージに対する自信の表われでもあると言える。つまり、設計自体に問題があるのではなく、バルセロナでの使い方とコース特性との相性といったことが疑われるというわけだ。 エンジニアやメカニックにとってはただでさえ慌ただしいスプリント週末が、こうした比較テストが介在することでさらに慌ただしくなる。それはパワーユニットを供給し運用するホンダ(HRC)も同じで、そのサポートあっての比較テストとも言える。