MotoGP、バルセロナでの最終戦は被災した”バレンシアのために”。イベント名でも連帯を強調
11月5日、FIMはMotoGPの今季最終戦をバルセロナのカタルニア・サーキットで代替開催することを発表した。当初最終戦が予定されていた11月15~17日の日程は維持されている。 バレンシアで豪雨災害で多くの被害が出たことにより、MotoGPはバレンシアでの最終戦開催を断念。代替開催地を検討していた。 マレーシアGPの週末には、その最有力候補としてバルセロナが浮上。MotoGPスポーツディレクターのカルロス・エスペレータも調整に動いていることを認めていた。 ただ、カタルニア州政府やスペイン政府、災害への対処にリソースを割いているバレンシア州政府との連携が必要だったことから、正式発表には少し時間がかかっていた。 この最終戦は、ホルヘ・マルティン(プラマック)とフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)のタイトル争いに加えて、明確な価値がつけられている。被災者への援助も行なわれるこのイベントでは、バレンシアのため、バレンシア自治州との連帯のために開催されるという。 FIMはプレスリリースで、イベントの名称は「MOTUL Solidarity GP of Barcelona」となることを発表。日本語で言えば、バルセロナ連帯GPといったところだろうか。 「MotoGPは、2024年のシーズンファイナルをバルセロナで開催することを決定した。我々はバルセロナのカタルニア・サーキットに戻り、そこでチャンピオンシップが決着する」 「本来の最終戦の予定と同じ11月15~17日に開催される。グランプリはバレンシアのコミュニティと連帯して開催される」 「このイベントは以前、バレンシアで開催される予定だったが、同地域に深刻な被害をもたらした洪水が発生した。シーズンの最終戦であり、チャンピオンシップが置かれているスポーツ的な状況や、このイベントがもたらすポジティブな影響を考えると、我々はファン、パドック、スポーツ、そしてバレンシアに責任を負っている」 「バレンシアでレースをする代わりに、MotoGPはバレンシアのためにレースをする。影響を受けたすべての人々のために、そしてバレンシア自治州全体のために」 またFIMは、代替コースとして候補に挙がっていた他のコースではなく、バルセロナを選んだ理由について次のように説明した。 「MotoGPはバルセロナでのレースを当局に要請した。バレンシアで開催されるシーズン最終戦に参加する予定だったファンにとって、このサーキットは最も簡単な選択肢だった。場所とサーキットも最も効率的な選択であり、スタッフやロジスティクスにとって完璧な近場の代替地となる」 「このイベントはMotoGPが主催するものであり、我々はレースが行なわれる場所であればどこでも、人、場所、そして地球にポジティブな影響を与えるという使命に全力を尽くしている。この場合、バレンシアの近くで開催することで、パドックもより直接的な形でそれを実践することができる」 最後にFIMは、レース週末にサーキットで観戦するためのオプションについて、近々ファンに知らせる予定であることを明らかにした。 「できるだけ早く、2024年のタイトル争いがどのように決定されるのか、またバレンシアへの援助を支援するために週末を通して行なわれれるさまざまな取り組みについて、観戦を希望するファンのために詳しい情報を共有する予定だ」 「11月15日から17日までバルセロナで開催される、バレンシアのためのレースという忘れられないフィナーレにご参加いただきたい」 3クラスのうち、MotoGPクラスのみタイトル争いが最終戦にもつれ込んでいるが、マルティンがバニャイヤを24ポイントリードしており、スプリントでバニャイヤより2ポイント多く獲得すれば、決勝を待たずして戴冠を決めるという状況だ。
Rubén Carballo Rosa