指揮者稽古で一体感 12月に「第九」演奏会、和歌山県田辺市
12月に紀南文化会館(和歌山県田辺市新屋敷町)で開催する「第九」演奏会を前に、紀南フロイデ合唱団が熱の入った練習を繰り広げている。9日には指揮者で和歌山フィルハーモニー管弦楽団ミュージックアドバイザー矢澤定明さんの指導で、本番に向け一体感を高めた。 【師走の歓喜へ始動 和歌山・田辺で新たな第九合唱団の記事はこちら】 田辺市で30年以上にわたり、師走恒例だった田辺第九演奏会が2019年に幕を閉じた。市民からの「また歌いたい」「聴きたい」といった声を受け、今年4月に紀南フロイデ合唱団が発足した。メンバーは中学生から80代まで約130人。第九演奏会の経験者は半数ほどで、合唱の初心者も多い。 公演で指揮をする矢澤さんとの練習は、田辺市ひがし公民館(南新万)であった。矢澤さんは楽曲を解説するとともに、「ここは気合で乗り切れる」「大ホールの2階まで届けるつもりで声を出して」と分かりやすい言葉で、時に笑いも織り交ぜながら指導した。 初めて第九を歌うという田辺市高雄2丁目の谷本敦子さん(48)は「練習を始めたころより、発声が良くなっている。矢澤さんの指導はとても分かりやすかった。本番が楽しみ」と意気込みを語った。 矢澤さんは「熱心な指導者のおかげで、思った以上にいい状態。第九演奏会休止後も合唱王国田辺の灯は消えていない。観客も含め、みんなで一緒につくる楽しさを感じて歌ってほしい」とエールを送った。 公演では中高生の合唱部員も加わり、約170人で力強い歌声を響かせる。 ■12月14日初公演 紀南フロイデ結成記念コンサート(実行委員会主催、紀伊民報など後援)は12月14日、紀南文化会館大ホールである。午後2時開演。料金は1人2千円(全席自由)。小中学生の無料招待席(先着122人)もある。 第1部は中学生による合唱や紀南フロイデによる「大地讃頌(さんしょう)」など。第2部で「第九」を演奏する。 チケットは紀南文化会館、プレジール(田辺市文里2丁目)、紀南フロイデ合唱団で取り扱っている。問い合わせは紀南フロイデ実行委員会事務局(090・7969・0085)へ。
紀伊民報