戦後の美術教育に影響...木水育男さん生誕105年 福井県鯖江市で記念作品展
戦後の美術教育に大きな影響を与えた福井県鯖江市出身の元美術教師、木水育男さん(1919~97年)の生誕105年を記念した作品展「『木水育男と児童画』の世界」(福井新聞社後援)は1月5日、同市まなべの館で始まった。木水さんの絵画やコレクション、教え子の生徒作品など約130点がそろい、生き生きとした描写をモットーにした児童画の指導と主導した創造美育運動(創美)を紹介している。6、14、20日は休館し26日まで。 木水さんは創造美育協会の創設メンバーの一人。子どもと同じ目線に立ち、自由な発想を引き出す指導を続けた。作品展は功績を知ってもらおうと、鯖江市と市教委が本年度共催展として企画した。 2部構成で1部は木水さんの作品を中心に約30点。繊細なタッチで魚を持つ少年を描いた油絵、大敷き網を使った漁の様子を活写した絵画と版画などが並んだ。創美の小コレクター運動で支援した瑛九(えいきゅう)さんや靉嘔(あいおう)さんの作品も展示し、多彩な活動を紹介している。 2部は、木水さんが47~55年に同市内の中学2校で指導した生徒の作品約100点を集めた。そり遊びとスキーを楽しむ子どもの様子や道路工事の風景を描いた絵画、大縄跳びをする子どもの版画など、当時の生活を生き生きと伝えている。 木水さんの長男と次男は「父は児童画の研究に情熱を注いでいた。この機会に知ってもらい、楽しみながら作品を見てもらえればうれしい」と話していた。 観覧無料。