侍JキューバとのWBC開幕戦先発は石川歩
いよいよ明日キューバとの開幕戦を迎える侍ジャパンの小久保監督は6日、前日公式会見に臨み、千葉ロッテの石川歩(28)を先発させることを公表した。石川は台湾プロリーグ選抜との壮行試合に3回を投げて3安打6奪三振1失点の内容にまとめ、滑るWBC球に適応できたことを証明していた。 日本に先立って会見に臨んだキューバも先発がノエルビス・エンテンザになることを正式な予告先発の日時よりも前に公表していたが、小久保監督も「石川でいきます」と明言。 「つかみどころがない、あのひょうひょうさを出して欲しい。そのピッチングスタイルも含めて、開幕の先発にした」と、独特の緊張感に包まれるキューバとの開幕投手という大役を石川に預けた理由を説明した。 石川の性格は、まさにマイペース。藤浪や則本のように緊張して力む傾向は見られない。まさに小久保監督が「スタートが大事。開幕のキューバ戦がポイントでいいスタートを切れればのっていける」と、位置づけている重要な舞台を、その石川の度胸にかけたのである。 また珍しい球筋のシンカーをメーンに高低の揺さぶりで勝負していくピッチングスタイルも打倒キューバ打線の刺客にはピッタリである。3日の強化試合でオリックスはキューバと3-3で引き分けた。オリックスの福良監督は、「3、4打席立ち試合勘が出てきた後半は、甘いボールを許してくれなかった。緩急をつけることが大事になる」と、キューバ打線攻略のヒントを口にしていたが、緩急というキーワードにあてはまるのは石川と大谷欠場での追加召集となった武田しかいない。 キューバは強化試合でオリックスと引き分け、西武にも敗れ、打線にかつての怖さは見られないが、小久保監督は、「本番では2割増しでくるんじゃないかという話をしている」と、ラテン系のチームの特色ともいえる本番での豹変を警戒している。1番のサントス、2番のアヤラ、そして1、2番につなげる9番のセスペデス弟と足があって機動力をつかえる選手もそろえているが、小久保監督は「(足の速い)1番バッターを出さないことがポイントになるだろう」と言う。 「投手力の高さ。勝ち上がっていくのはそこしかない」 小久保監督が全幅の信頼を寄せる投手陣が、眠ったままのキューバ打線をどう封じこめるか。まずは先発石川のピッチングが開幕戦の勝敗のかぎを握ることになる。