プロスカウト大注目!東北の152キロ異色右腕
異色のフォームから最速152キロを誇り、今秋のドラフトの注目右腕となっている熊原健人(仙台大・3年)が、春のリーグ戦開幕に向けて広島・呉市でキャンプイン。 ソフトバンク、中日など、今年に入ってから、すでにプロ6球団のスカウトが視察に訪れている。熊原は、実戦感覚を養うため、初日からフリー打撃登板するなど調整に余念がない。 熊原が注目を浴びたのは、大学生ながらプロアマ混合の侍ジャパンの21U代表に選出された、昨秋の「第1回21U(21歳以下)ワールドカップ」(台湾・台中)だ。決勝の台湾戦では、最終回に登板。9ー0と、既に敗色濃厚な場面ではあったものの、要した球数計15球の内1/3が150キロ台。自己最速まであと1キロに迫る151キロをマークし、三者凡退。テレビ解説をしていた日本代表経験者の元千葉ロッテ・里崎智也氏をうならせた。 「目つきに投げっぷり、そのすべてがよかった。スピードは150キロを平均して出せるし独特のフォームから威圧感もある。先発だけでなく、抑えでもすぐにプロで通用する素材。僕がプロの編成の人間ならドラフト1位で推したい」とまで評価した。 左足をオープンに大きく開き、グラブの位置を顔の前に置く、独特の異色フォーム。慣れないとタイミングはとりづらい。「ダイナミックなのに意外と腕の使い方はコンパクト。だから制球もある」と里崎氏。 実は、その大会直前に行われた侍ジャパンの21U代表と巨人2軍との強化試合では、中継ぎ登板ながら、2回を1安打2奪三振無失点の好投。圧巻は09年の新人王・松本哲也を148キロの速球主体で3球三振に討ち取ってスタンドの度肝を抜いた場面。 「自分の真っ直ぐが(プロ相手に)どれだけ通用するのか。試してみたかったので、持ち味は出せたと思います。(2人の元プロから受けた助言は)試合前練習のキャッチボールの段階で意識して取り入れていたので、それがうまくハマりました」 藤村大介や寺内崇幸ら1軍でも活躍しているレベルを相手に堂々と渡り合った。