<なにわ点描>ドラマのロケ地になった阿倍野消防署、あべのハルカス周辺を歩く
大阪市阿倍野区役所署周辺。そこから続く坂道沿いには、全国的にも有名な調理師専門学校や阿倍野消防署がある。この消防署、最近放送されているNHKドラマ「ボーダーライン」の舞台として登場している。同市消防局によると、撮影場所の提供や車両、消防技術を必要とする演技指導などで全面的に協力しているという。 出演者一覧をみると、主演の小池徹平をはじめ、石野真子、藤原紀香、橋爪 功など関西出身の俳優の名が並ぶ。ドラマをみていても、消防車が現場へ向かうシーンなどで、同消防署周辺をはじめ、同市大正区や西成区なども登場している。 橋爪功の関西弁での演技をみていると、往年の大阪発の刑事ドラマ「部長刑事」(ABC朝日放送)を思いだす人も多いのではないだろうか。近所に住む女性は「撮影やってるとこ見かけたわ。昔は大阪のドラマも多かったけど今はあんまり見ないんで、なんか地元が出てくるのはうれしいわ」と話していた。
阿倍野の小さな坂道から「あべのハルカス」を望む
そこから先の坂道をのぼりつつ地下鉄の駅ひとつ分くらいを歩くと「あべのハルカス」周辺に出る。駅ひとつ分といっても、徒歩10分もあれば着く。ハルカスのそばにある「あべのキューズモール」付近にいくと、再びちょっとした坂道が出てくる。 キューズモールと「きんえいアポロビル」や「あべのルシアス」にはさまれた道。その道を下ったところから高さ300メートルの「あべのルシアス」を見上げると、超高層ビルがさらに大きくみえる。
あべのハルカス近くでにぎわう銭湯
子どものころにココへ来た時のかすかな記憶から、この坂道沿いに銭湯があったことを思い出した。そこで、近くの40階建て高層マンションの下に、きれいな銭湯「湯処 あべの橋」を見つけ訪ねてみた。 中にいたご主人に話しを聞くと「その銭湯はウチですよ。50年くらいやってたんですがね」という返答が。以前は「阿部野橋温泉」の名で営業していたが、再開発により今の場所へ移転。「屋号は字の画数とか考えて今のものにしました。実は16日でここへ移転してちょうど10年なんですよ。最初の2~3年は寂しかったりもしたけど、道もきれいに整備されてからお客さんもたくさん来て頂いてます」とも話してくれた。2年前にはテレビ番組「今ちゃんの『実は…』」(ABC)で紹介されるなどしたとか。 時が流れ、阿倍野区周辺もここ10何年かで様変わりした。だが、街を歩いてみると、建物などが変わっても、店の雰囲気や道「なにわ」らしさは変わらない。