昔はイケイケだった、あの会社。30周年の今は
アメリカの方の米Yahoo!がひっそりと創立30周年を迎えました。 1994年1月に爆誕、インターネット黎明期に最も輝いてたディレクトリ型の検索エンジンでした(過去形)。 ちなみに混乱しそうなので先にお伝えすると、日本のYahoo! Japanとは別の話です。30年の間にいろいろあり、今現在日本のYahoo! Japanとの資本関係はありません。
30年前に爆誕、イケイケ街道
米Yahoo!は、30年前にスタンフォード大学の学生だったジェリー・ヤンとデビッド・ファイロによって創立。Yahoo!という名称は「Yet Another Hierarchical Officious Oracle(さらにもう一つの階層的でお節介な神託)」が語源です。まだ発展途上だったWebの黎明期に、検索サービスの草分け的存在として登場し、そこから圧倒的な人気を博すことになります。 Googleが登場する1998年までは、米Yahoo!はAlta Vista、America OnlineやExcite、Lycosのような検索サービスと競合していましたが、その中でも米Yahoo!は絶大なる存在感を誇っていました。1999年にGeoCitiesを36億ドル、Broadcast.comを57億ドル買収したり、当時はイケイケ街道爆走中でした。
バブル崩壊、Googleが台頭
しかし2000年代初頭にそうしたドットコムバブルは崩壊、次第に夢は破れはじめGoogleの台頭が影を落としていきます。 米Yahoo!は、2004年に独自の検索エンジンを作ったり、2007年にはGoogleがGmailを始めた(2004年)ことに対抗し、無制限のメールサービスを始めました。 2008年、マイクロソフトは米Yahoo!を470億ドルで買収しようとしましたが、破談となったこともあります。
マリッサ・メイヤー就任、そして苦難の経営
そして2012年にマリッサ・メイヤーがCEOとして就任。その後Flickrを買収したりTumblrを買収しました(そしてTumblrは台なしに…)。 大変だったのが、2016年に発表された巨大なセキュリティインシデント事案です。当時、単一の会社に対する最大級のハック事件でした。何者かが侵入し、最終的には30億人以上の個人情報が流出していたというものです。2013年に発生したというこの事件が公表されるまで数年かかっています。 2017年1月に米Yahoo!の中核事業を48億3000万ドル(10年前のマイクロソフトの提示した評価額から遥かに遥かに低い額)で、ベライゾンに売却することに。マリッサ・メイヤーは巨額の退職金を受け取り会社を去り、事業部門はベライゾン傘下のAOLに統合されることになりました。 さらに2021年、アポロ・グローバル・マネジメント傘下になって、直近の2023年、テック業界のレイオフの波の中でスタッフの20%、約1600人の従業員を削減しながらも今も生き長らえているのが今の米Yahoo!です。 盛者必衰、紆余曲折の米Yahoo!の30年間でしたが、そもそも30年続くインターネットサービスは異例中の異例です。2024年現在も存命で、30周年を迎えている事自体、素晴らしいことだと思いますね。
mayumine