南伊豆町に一棟貸し「天地」 移住者農家夫婦が古民家改装
「自然農園 日本晴」を営む欠掛隆太さん・奈々さん夫婦が10月17日、一棟貸しの「農のある暮らしの宿 古民家 天地(あめつち)」(南伊豆町市之瀬)をオープンした。(伊豆下田経済新聞) 【写真】まきでも沸かすことができる風呂(関連画像7枚) 同宿は築80年以上の古民家を、地元大工などの力を借りながらも、できる限り自らの手で改修したもの。床は張り替えたが、柱・梁(はり)・建具などは当時の物をそのまま使っている。 欠掛さん夫婦は都内での会社勤めの後、東京都国立市でカフェの立ち上げなどに携わった。そこで野菜を仕入れる農家と知り合ったのをきっかけに農業に興味を持ち、車で旅をしながら就農できる場所を探した。さまざまな土地を回った後、海の近くであること、翌日の朝東京に野菜が届くことなどの条件が満たされた南伊豆町への移住を決めた。 内装には「天然の材料を使いたい」と無垢(むく)材を最大限に使い、漆喰(しっくい)は隆太さんの師匠である左官職人の土屋隆央さんと共に塗った。風呂はまきでもガスでも沸かすことができるものを使う。「時間にゆとりのある方は、ぜひまきで風呂を沸かして入ってみてほしい」と隆太さん。宿の周りには大島桜やミカン畑があり、自然豊かな景観も楽しむことができる。この場所に宿を構えることを決めたのも、周りの環境が決め手になったという。 同宿では地域住民と連携し、地元の木工作家を講師に招いてのワークショップや、シーカヤックなどのアクティビティーなどが体験できる。奈々さんが教える「自然農園 日本晴」の野菜を使った加工品のワークショップも開く。 料金は一棟貸しで、1人~4人=5万5,000円。最大10人まで利用可能で、5人目以降は1人追加ごとに8,800円追加。「のんびりと滞在してもらって、南伊豆を思う存分楽しんでいってほしい」と、連泊割りも用意している。 より多くの人に宿に関わってほしいと、現在クラウドファンディングも行っている。リターンには、同宿への宿泊だけでなく、欠掛さん夫婦が育てた野菜や加工品などを用意する。
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