高速道路のトンネル内で車両火災に遭遇したら…自分の身を守るために覚えておきたい初期行動をお教えします
トンネル内で火災発生! いざというときの対処法
冬になって空気が乾燥し、火災が増えてくる季節。クルマ関連の火災、車両火災で怖いのは、何といっても高速道路を走行中、トンネル内で火災に遭遇するシチュエーションでしょう。もし高速道路を走行中にトンネル内で火災に遭遇した場合、どう対処すればよいのでしょうか。 【画像】トンネル内で火災発生! いざというときの対処法を見る(7枚)
早めに現場から避難することが重要
高速道路で発生するトンネル火災は年々少なくなってきていると言われているが、NEXCO東日本によると、今でも年間5件ぐらいはトンネル火災が発生している。またNEXCO中日本は、月平均2回以上、車両火災による通行止めが発生していると発表している。ではもし高速道路のトンネル内で、車両火災に遭遇したらどうすればいいのだろうか。
1. クルマを駐車して避難する
ハザードランプを点けて車両を非常駐車帯もしくは左側(左側に駐車できないときは右側)に寄せてクルマを駐車。このとき、警察、消防等の車両が通行できるように中央部を空けておくことが大事だ。 また、非常口の前には駐車しないことと、降車の際、追い越しをする後続車に注意しよう。もうひとつ肝心なのは、火災車両の先が見えないときは、絶対に火災車両を追い越さないこと。煙が充満し、前方が全く見えない場合、その先がより状況が悪くなっている可能性が大なので、必ずそれ以上先に進まないこと。そしてクルマを止めたら、パーキングブレーキをかけて、エンジンを切ってドアロックをせずにカギも車内に残したまま一刻も早く車外へと避難。
2. 火災を通報
クルマを降りたら、押しボタン式通報装置か非常電話で火災を通報。トンネル内には、「SOS」と大きく書かれた押しボタン式通報装置が50mおきにあり、また非常電話も200mおきに設置されているので、これを使って通報しよう。押しボタン式通報装置はランプが点くまで押すと自動的に火災が通報される。
3. 初期消火
背丈を超えない程度の火災の場合は、消火器または泡消火栓を使用し初期消火を試みる。高速道路のトンネルには50m間隔に2本ずつ消火器が設置されている(押しボタン式通報装置と同じ場所)。消火栓の設置されているトンネルでは消火栓も活用しよう。ただし、火災が拡大し手に負えなくなり、身の危険を感じた場合は、すみやかに避難すること。
4. 地上へ避難
高速道路のトンネルには、およそ750m間隔(都市部では約400m)で非常口が設けられている。非常口からは避難経路を経由して地上に出ることが可能なので、そこから避難経路を通ってあわてずに地上へ避難する。 トンネル火災は火が怖いのはもちろんだが、煙や有毒ガス、一酸化炭素中毒のリスクもかなり高いので、早めに現場から避難することが非常に重要。また、トンネル火災の約7割は、燃料やオイル漏れに起因するエンジントラブルが原因だ。タイヤのバーストも原因のひとつになっているので、高速道路を利用する前は、運行前点検をしっかりやっておくことも忘れずに。
藤田竜太