韓国自動車市場に「大きくパワフルな車が登場」…需要停滞を恐れない高性能EV
【08月13日 KOREA WAVE】韓国国内の自動車市場で今年後半、大型で高性能な電気自動車(EV)が次々と登場する。EVの需要が一時的に停滞する「キャズム」の懸念を克服し、市場の需要を引き出せるかが注目されている。 韓国の大手自動車メーカー、現代自動車は、年末に大型電動スポーツ用多目的車(SUV)「アイオニック9」(正式名称は未定)を公開する。アイオニック9は、現代自動車が開発したEV専用プラットフォーム「E-GMP」を採用した同社の第3世代のEV。2021年11月に米ロサンゼルスオートショーで初めて公開されたコンセプトカー「セブン(SEVEN)」をもとにした量産車だ。最近、現代自動車の米国法人が年末に世界初公開を予定していると発表した。 アイオニック9は、韓国の自動車メーカー、起亜の「EV9」と同様に3列シートを備えた大型電動SUVで、アイオニックブランドにおける最も大きなEVだ。当初「アイオニック7」と名付けられる予定だったが、同クラスのEV9より小さい車と混同される恐れがあるため、「アイオニック9」に名称が変更される可能性が高い。 1回の充電での走行距離はEV9を上回る見込み。EV9は、99.8kWhの大容量ニッケル・コバルト・マンガン(NCM)バッテリーを搭載しており、1回のフル充電で501kmを走行できる。 また、高性能な輸入EVも発売を控えている。ドイツの高級自動車メーカー、ポルシェは今月22日に「タイカン」の部分改良モデルを公開し、本格的な販売を開始する。タイカンは、ポルシェが2020年に初めて発売したブランド初のEVであり、今年4月に中国・北京モーターショーでマイナーチェンジモデルが一般公開された。 新型タイカンは、部分改良を経てさらに強力な動力性能を備えている。基本モデルでも最大出力483馬力を発揮し、最上位モデル「ターボS」は最大938馬力に達する。バッテリー容量も従来の93kWhから105kWhに拡大され、走行距離も延びる見込み。韓国環境省の認証によれば、新型タイカンの1回の充電での走行距離は471kmに達し、以前のモデルよりも100km以上延びている。 さらに、英国の高性能車メーカー、ロータスが高性能電動SUV「エレトラ」を韓国市場に初めて投入する。エレトラはロータスブランド初の電動SUVで、「S」と「R」の2モデルが用意されている。それぞれのモデルの最大出力は612馬力と918馬力。ロータスは、エレトラの発売を機に韓国市場への再進出を強化する。 スウェーデンの電動車ブランド、ポールスターも新たな高性能電動車を披露する予定だ。今月13日に韓国市場に初めて公開される電動SUVクーペ「ポールスター4」は、デュアルモーターを搭載し、最大出力544馬力を誇る。ポールスター4は、これまで「ポールスター2」だけを販売してきたポールスターコリアにとって、大きな期待を寄せるモデルだ。 業界関係者は「EV市場は大衆化前の段階で困難に直面しているが、今後の方向性については変わりない。3列シートを備えた大型電動車や高性能電動車の価格帯が高いため、現状でどれだけの反響を呼ぶかが注目される」と述べている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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