北越vs新潟明訓

　高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2024 北信越1部の第3節が4月20日に行われた。今季1部に復帰した新潟明訓はアウェーで北越と対戦し、4-0で完封勝ち。勝ち点7で並ぶカターレ富山U-18を得失点差で交わし、首位に浮上した。 【フォトギャラリー】北越 vs 新潟明訓 　新潟明訓は試合開始のホイッスルが鳴った瞬間から敵陣になだれ込み、セットプレーから次々とチャンスを作る。すると6分。左CKからMF桑原壮汰(3年)が先制点を奪う。北越はエースのFW岩崎大翔(3年)、ボランチに入ったDF須藤翼(3年)を軸に反撃に出るが、新潟明訓の激しいプレスに苦しみ、バイタルエリアまで進入できない。「連続、連動はうちの持ち味。加藤潤コーチが冬の期間で走力を含めて鍛え上げた」と新潟明訓の坂本和也監督。運動量、球際、1対1の守備で北越を圧倒。ボールがある時もない時も常にアラートな状態を保ち、攻守で主導権を握る。 　手鼻をくじかれた北越だったが、GK高寺凜太郎(3年)から始まるビルドアップで徐々に押し返す。中盤のセカンドボールも拾えるようになり、須藤が中央から両翼にパスを散らし、FW小林拓(3年)と岩崎が前線でターゲットになって好機を伺う。北越らしいフットボールでペースをつかむと、24分にペナルティーエリア内で間接FKを獲得。だが、これは新潟明訓が体を張ってクリアする。 　35分も北越。MF薗部太一(3年)が右サイドを抜け出してピンポイントクロス。ファーサイドで待ち構えた小林が頭で狙うが、わずかにゴールバーを超える。その後も細かいパス交換と、DFラインから送る対角線のロングフィードを織り交ぜながら同点を狙うが、新潟明訓の2センターバック、福原快成(3年)と加藤祐羽(2年)に跳ね返され、前半は新潟明訓が1点リードで折り返す。 　後半の立ち上がりは新潟明訓ペース。47分。FW椿泰一郎(3年)がミドルシュートを放つと、53分には椿の縦パスに抜け出したFW大森健司(3年)が右足で狙う。チャンスを迎えるも追加点が奪えない新潟明訓は63分。温存していたエースのFW斎藤瑛太(3年)を投入。そこから一気にスコアが動く。斎藤は登場から1分後、挨拶代わりのミドルシュートを放ちウオーミングアップを終えると、68分に桑原の左クロスをニアで合わせ、リードを2点に広げる今季初ゴールを奪う。斎藤は「クロスがなんとなくニアに来そうだなと。いいボールだったし、GKの前で触ることができて良かった」と振り返った。 　エースの一発で勢いづいた新潟明訓は74分、MF風間聖来(3年)のロングスローから最後は桑原が右足シュート。惜しくもバーの上を通り過ぎるが、その1分後にゴール前に混戦から途中出場のMF鈴木快空(2年)が豪快に右足を振り抜き3-0。85分には斎藤のパスに右サイドを抜け出した大森がマーカーの股下を抜くショットを落ち着いて決め、試合を終わらせた。 　新潟明訓のエース斎藤は途中出場で1得点1アシスト。昨秋の選手権県予選で左肩を脱臼し、手術。長いリハビリ期間を終え、今季開幕前に戦列に戻ってきた。現在も出場時間に制限を設けるが、今年はリーグ戦20ゴールを目標に定める。もとから体格に恵まれるが、リハビリ期間で走り込み、肩の調子を見ながらベンチプレスで筋力をアップさせた。この日も相手守備陣に体を当て、力強いポストワークでチームの推進力を生み出した。