警察署にスズムシを20年間贈り続ける理容師 緊張感和ませる秋の音色 長野
長野市三輪の長野中央署のロビーにスズムシが入った飼育ケースが置かれ、秋を告げる涼しげな音色が響いている。署員や市民に癒やしを感じてもらおうと、約20年前から同市吉田の理容師片山公一さん(74)が毎年、自宅で育てて署に贈っており、今年も6日までに計約30匹を届けた。 【写真】15年前の片山さんと警察署に贈ったスズムシ
1985(昭和60)年ごろ、店の客から増え過ぎてしまったスズムシをもらってほしいと依頼があった。片山さんの父も育てていたため、幼い頃からスズムシになじみがあったという。スズムシを寝室に移して音色を聞くと、「野宿しているようでリッチな気分」になった。
多くの人に聞いてもらおうと、幼稚園や病院、すし店など約40カ所に贈ってきたが、特に警察署は思い入れがあるという。「暑い日も雨の日も事件事故があったら駆け付けてくれる警察官に癒やしを届けたかった」。同署の松島敏史署長は「涼しげな音色が警察署の緊張感を和ませてくれる。本当にありがたい」と感謝している。