こっちのけんと 大ヒット曲『はいよろこんで』制作秘話「暗い内容だけど、みんなに知ってもらわないと」「明るく話したい」
アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新ラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT”を探ります。 10月11日(金)の放送では、2024年5月にリリースされた大ヒット中の楽曲「はいよろこんで」制作秘話を明かしました。
◆大ヒット曲「はいよろこんで」に込めた思い
続いて、こっちのけんとが挙げた“人生が変わった瞬間”この日2つ目のモーメントは、 「2024年、躁うつになって『はいよろこんで』を作った」です。 自身のことを語るうえで、実兄の菅田将暉の話と、こっちのけんと自身の躁うつ病(双極性障害)の話は切り離せない存在だと考えていると話す、こっちのけんと。 「躁うつは、テンションが高すぎたり低すぎたりする症状がある病気でして、安定しないんです。どうしても落ち込んだりする。ただ、それが僕にとってはラッキーなんですよね。楽しい人生を歩めるし、楽曲として曲にできるのはすごく嬉しいです」と語ります。 そして、デビューから人生が変わるようなさまざまな変化があり、うつ病の治療を続けていくなかで、実は躁うつ病だということが医師の診断によって明らかになりました。 「うつ病と躁うつ病は似て非なるもので。処方される薬も変われば、生活で気を付けることも変わってきます」と語り、「テンションが高すぎているときに、友達からの誘いだったり、お仕事の依頼を『はいよろこんで』と受けていたんです。ただ、それが自身の精神が病んでしまうきっかけの入り口になっていたというのもあって」と告白。 「はいよろこんで」という言葉には、“人のために役立ちたい”という思いに加えて、気が付いたら自身をないがしろにしていたと語る、こっちのけんと。「いい言葉だけど、実は、裏で自分を犠牲にしているような言葉を、楽曲にできたことは僕のなかですごく大事なモーメントになっています。人生を変えた1曲です」と話していました。 そんな「はいよろこんで」の作詞はこっちのけんと、作曲は「死ぬな!」「どんぐりGAME」に続きトラックメイカーのGRPさんと共同、編曲GRPさんで制作した楽曲です。 「はいよろこんで」の制作中は、メンタルが大きく崩れた期間もあり、楽曲制作は苦労の連続だったと振り返るこっちのけんと。 「(僕が)『曲を作ります!』と言ってから3ヵ月ぐらい、うんともすんともみたいな期間がありました。でも、最後の最後にあらためて自分の人生を振り返ったら、“ギリギリで生きていくって、けっこう大事かも”と思ったんです。そこから歌詞のサビが出てきたり、『はいよろこんで』という言葉が出てきた感じでしたね」と制作秘話を明かしました。 完成した楽曲を聴いて涙を流したと話すこっちのけんとは、「救われるというよりかは、デトックスできるというか。涙活しながらもノリノリで、テンションは上がるけど、自分のうっ憤は出ていくのがこの楽曲のいいところだなと思ったのを覚えています」と語ります。 そもそも「はいよろこんで」をダンスチューンにしたことについては、「こっちのけんとの活動の趣旨として、『死ぬな!』のときからそうなんですけど、病気の話だったり、普通だったら暗いような話をするうえで、どうしても明るく話したい。暗い内容だけど、みんなに知ってもらわないと、自分のことを伝えることができない、ということもあって、そこから“踊りながら泣ける曲を作りたいな”という思いをきっかけに、ダンスチューンとして『はいよろこんで』を作りました」と思いを語りました。 5月に公開した「はいよろこんで」のミュージックビデオは、10月に累積再生数が1億回を突破しました。「感謝の仕方もわからないぐらいの数字に届きました。これからどうやって恩返ししていこうと思っている今、この瞬間が一番のモーメントです」とコメントして、「はいよろこんで」をオンエアしました。 (TOKYO FM「G-SHOCK presents THE MOMENT」2024年10月11日(金)放送より)