真面目さと耐久性が売り! 新型 スバル・フォレスターへ英国試乗 タッチモニター獲得 強みは不変
静かで上質なエンジン 滑らかなステアリング
このパワートレインは静かに働き、フィーリングは上質。水平対向エンジンながら、極めて滑らかな感じもある。昔のスバル車のような、ドロドロというビートは聞こえない。7速ATも、スルスルと変速を続けていた。 ステアリングは、リニアでスムーズに反応する。乗り心地はしなやかで、高速で旋回すると穏やかにボディロールが発生する。ロードノイズも小さい。昔のように、スポーティな仕様のフォレスターが登場すれば、運転を思い切り楽しめそうだ。 今回は、オンロードのサーキットと、オフロードコースを数周しただけ。限界領域までは迫れていないが、落ち着きに優れ能力の高さを伺わせる。普段使いで好印象なことは、想像に難くない。 悪路の走破性も素晴らしい。本気のジープ・ラングラーなどには匹敵しないとしても、オールテレーン・タイヤを履かせれば、グレートブリテン島の冬のぬかるんだ原野にも立ち向かえるはず。 マイルド・ハイブリッドだから、燃費は特に良いわけではなく、カタログ値で12.4km/L。それでも、厳しい環境へ近い場所で暮らすユーザーは、メカニズムの信頼性や耐久性の方を重要視するに違いない。
飾り気のない、実直なクロスオーバー
6代目へ一新した、フォレスター。オンロードでの走行性能と、オフロードでの走破性を巧みに融合させた、実直なクロスオーバーだという特長に変わりはない。改善点はまだ残っているとしても、好感を抱けるモデルだと思う。 スタイリングに、華やかさはないかもしれない。しかし、四輪駆動の頼もしさや耐久性は間違いない。 アメリカやオーストラリア、スコットランドなど、実際にこのようなクルマを必要とする人には、強く響くはず。デザインやイメージ優先で選ばれ、都会から殆ど出ないような、フォルクスワーゲン・ティグアンなどとはまったく別の存在といえる。 ◯:運転席からの優れた視界 実用的で余裕のある車内空間 心地良い運転体験 △:タッチモニターの操作性はいまいち 良くない燃費 運転が楽しいわけではない
スバル・フォレスター(海外仕様)のスペック
英国価格:約4万ポンド(約768万円/予想) 全長:4655mm 全幅:1828mm 全高:1730mm 最高速度:188km/h 0-100km/h加速:12.2秒 燃費:12.4km/L CO2排出量:183g/km 車両重量:1717kg パワートレイン:水平対向4気筒1995cc ターボチャージャー+電気モーター 使用燃料:ガソリン 最高出力:136ps/5600rpm 最大トルク:18.4kg-m/4000rpm ギアボックス:7速オートマティック(四輪駆動)
マット・プライヤー(執筆) 中嶋健治(翻訳)