外信コラム 出張先で必ず出会う親日派 〝大阪談義〟で盛り上がる
11月の米大統領選に向けた出張取材では、必ずと言ってよいほど日本に縁のある米国人と出会い、日米の距離の近さを感じる。 27日(日本時間28日)の民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領による1回目のテレビ討論会の取材で訪れている南部ジョージア州アトランタでも、たまたま声をかけた黒人男性が「大学卒業後に8年近く名古屋と大阪で暮らし、英会話の講師をしていた」と話す親日家だった。 大阪は私も記者として10年以上働いた土地だ。「プロ野球は阪神とオリックスのどちらが好きか?」などと、たわいない〝地元談議〟で盛り上がった。 日本への滞在経験があるという人は、やはり米軍の関係者に多い。中西部アイオワ州や南部サウスカロライナ州で、神奈川・横須賀や長崎・佐世保の米軍基地に勤務した経験があるという人たちに出会った。 皆、党派を問わず親切にしてくれた。氷点下のアイオワで1月、トランプ氏の集会が始まるのを一緒に待った白人男性は、小さな使い捨てカイロを分けてくれた。「手袋の中に入れておくと手指(のかじかみ)が楽になる」。そんな地元流の対処法を教えてくれた。 見知らぬ土地で受ける予想外の親切は、いつも新鮮で温かく、米国の良さを感じる瞬間だ。(平田雄介)