マーリンズ対ドジャース　9回表ドジャース2死一、二塁、右越えに3点本塁打を放ち、ナインに迎えられる大谷（撮影・菅敏）

＜マーリンズ4－20ドジャース＞◇19日（日本時間20日）◇ローンデポパーク 　ドジャース大谷翔平投手（30）は万全の状態管理と緻密さで「50－50」に到達した。打って、走り、両方で前人未到の歴史を刻むには、まず健康第一。日々、睡眠の質を管理し、どれほど体がリカバリーできているかまでチェックしている。状態をキープした上で、打撃と走塁の両面で緻密な作業を継続。故障しない頑丈な体と、明確な意図のルーティンが歴史的快挙につながった。【取材・構成＝斎藤庸裕】 【写真】大谷翔平愛用のマットレス 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　大谷は試合後、私服に着替えながら、左上腕に黒いバンドを巻く。「WHOOP（ウープ）」と呼ばれるデバイスで、睡眠の質や体の回復具合を計測し、心拍数や血中酸素濃度、どれほど精神的ストレスがかかっているかなども、スマートフォンのアプリと連動して正確な数値で判断できる。チーム内でも活用されており、トレーナーら球団スタッフ、今夏にトレードで加入した右腕コペックら選手も愛用している。 　大谷が体調管理で最も大事とするのは睡眠。今季の開幕直後、4月前後は眠れない日々もあり、パフォーマンスに影響があった。徐々に改善され、5月中旬には「良い睡眠とって、1日1日大事にプレーできている」と語った。朝食で一度起き、2度寝で合計10時間ほどの睡眠をとることを心がける。その上で、「WHOOP」を使用することで、適切な睡眠スケジュールや質を管理。どれだけ体がリカバリーができているかを、可視化している。 　ストレングス＆コンディショニング担当のトラビス・スミスコーチは昨年12月、大谷がドジャース移籍後からトレーニングを見守ってきた。「どれだけ彼が緻密なことか。毎日いつも、練習を通じてデータを収集し、どんな練習でも情報を得る。睡眠も管理し、それを踏まえてメニューを組み、反復し、そういう全てのことを理解する。それが（コンディショニングで）大事なこと」と証言。今季は打者専念で投打の二刀流と比べて負担は少ないが、大きな故障なく出場し続け、打って、走った。その大前提として、綿密な体調管理があった。