「日本アルプス」を紹介した偉人も安全に配慮 松本市・上高地でウェストン祭
明治時代に宣教師として来日し、日本アルプスを世界に紹介した英国人ウォルター・ウェストン(1861~1940年)を顕彰する第78回ウェストン祭が2日、長野県松本市安曇の北アルプス上高地で開かれた。自然保護や安全登山を広めたウェストンの功績を継承しようと、登山関係者ら約200人が集まった。 【写真】雨の中で歌う子どもたち
日本山岳会信濃支部長の東英樹さん(75)=松本市=は、ウェストンが上高地に滞在して槍ケ岳や奥穂高岳などに登ったことに触れ、「休みを取りながら安全に登る姿を見習って今年も山登りをしたい」とあいさつ。地元の安曇小学校4~6年生12人とコーラスグループによる合唱もあった。 女性で世界初の欧州アルプス3大北壁完登者の医師、今井通子さん(82)=東京=が記念講演。「先頭で登りたかったが、『男性が女性を連れて行ってあげる』という時代だったから、女性同士で登ろうと思った」とマッターホルンに登った際のエピソードを紹介。「技術を磨いて自分の足や手を使い、誰も見たことのないような景色を見られる楽しみがある」と登山の魅力を語った。