バイエルン・ミュンヘン前監督のトーマス・トゥへル氏（AP）

　イングランド代表の新監督に前バイエルン・ミュンヘン監督のトーマス・トゥヘル氏（５１）が、就任することが確実となった。 ＢＢＣを始め、英メディアなどが一斉に報じたところによると、１０月１５日にトゥヘル氏がイングランド代表監督就任に合意。１６日中にも正式発表が行われる運びになっているという。 イングランドは今夏のユーロ２０２４で、２大会連続となる決勝進出を果たしながらスペインに敗れ、前回に続き準優勝で大会を終えた。サッカー発祥国でありながら、主要大会の優勝は自国開催だった１９６６年のＷ杯１回のみ。５８年間の無冠が続いている。 こうした状況でイングランドＦＡは自国出身の監督をあきらめ、歴史上同国の最大のライバルであるドイツから監督を招聘。サッカーの母国のプライドをかなぐり捨て、「勝てる監督」を新監督に就任させた形になった。 トゥヘル氏招へいの最大の決め手は、チェルシー監督時代に欧州ＣＬ優勝を果たしたこと。また、イタリア人のカペッロ監督が英語の取得に苦労したことに比べ、トゥヘル氏の英語は完璧。このコミュニケーション力の高さも、新監督抜擢の要因となったという。 英メディア上では「勝ち方を知る監督」としておおむね好評だ。一方、最近の報道では、今季終了後の就任が条件となっていたが、マンチェスターＣのグアルディオラ監督が本命候補とされた。また、前リバプール監督のクロップ氏も候補に挙がっていたが、同氏は来年夏までの休養を宣言。今回の人事には第３の候補で妥協したという見方もある。