【羅針盤】「ロープレスキューの大会で防災を発信したい」若手消防士の思い 岩手・大船渡市
IBC岩手放送
災害時などの救助方法の一つ、ロープレスキューの技術を競う全国大会が10月、岩手県大船渡市で行われました。 【写真を見る】【羅針盤】「ロープレスキューの大会で防災を発信したい」若手消防士の思い 岩手・大船渡市 震災被災地での大会開催のきっかけとなったのは、1人の若手消防職員の思いでした。 「オッケーですよね、テンション」 OK合図「了解!」 大船渡市大船渡町の中心部にある6階建てのホテルです。 およそ20メートルの高さでロープを使って救助を進めていきます。 19日と20日の2日間、大船渡市でロープレスキューの技術を競う全国大会が行われました。 ロープレスキューとは、災害や火事、転落事故が発生した際に救助が必要な人をロープなどを使って助ける方法です。 (宣言・吉田元気さん) 「2024崖、開幕しまーす」「イエーイ」拍手 大会には全国6道府県から10チームおよそ90人が参加しました。 東日本大震災の被災地でもある大船渡市での大会開催のきっかけを作ったのが、大船渡地区消防組合に勤務する吉田元気さん29歳です。 (吉田元気さん) 「各チームの熱量感じられる素晴らしい大会になってるなってところです」 大会開催の背景にあったのは、地域の復興の停滞感でした。 5月に市内で行われた地域の未来を考えるイベントで、吉田さんはまちの盛り上げについて次のように話していました。 (吉田元気さん) 「私は消防職員なので何かやりたいことって言われると、やっぱり防災関係をもとに例えば救助だったり、そういう面を含めたイベントをこの大船渡市発信でやれたらいいなっていう思いがあります」 今回の大会の会場となった大船渡市の中心部は東日本大震災で甚大な被害を受け、その後の復興でまちの姿は大きく変わりました。 新たな災害への備えが課題となる中、吉田さんは消防組合の仲間と実行委員会を組織。 地元企業の協力もあり大会開催にこぎ着けました。 (吉田元気さん) 「復興地の防災のまちである大船渡市を防災という括りの発信のまちにしたいと思ったのでここでやることには防災についてすごく意味があるのかなと思います」