大谷米を手に持つ大谷さん（９月、秋田県能代市で）

　史上初の「５０本塁打、５０盗塁」を達成し、現在プレーオフの試合に出場している米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手（３０）の活躍を受け、新米の季節を迎えた秋田県能代市で、ある米に注目が集まっている。産地の住民の名前、地区の名前、郵便番号がいずれも大谷選手につながる偶然がその理由だ。（広瀬辰馬） 【写真】めちゃくちゃカワイイ…デコピンとのハイタッチ姿

　「本当にやってくれた。すばらしい」と笑顔で話すのは、能代市栗山地区の米農家大谷直人さん（５２）。同地区は世帯数の８割以上が「大谷」を名乗る「大谷さんの集落」だ。大谷選手もゆかりがあるという。

　直人さんは「地区の郵便番号の下２桁は１７号。背番号１７の大谷選手との縁を感じた」といい、高齢化が進む同地区で明るい話題をつくれないかと自ら育てる米「あきたこまち」に「大谷米」と名付け、昨年から販売している。

　６月には、大谷米の存在を知った北海道日本ハムファイターズ在籍時の監督だった栗山英樹さんから直筆の手紙が届いた。地区の名前は「栗山」。「日本の農業を一緒に盛り上げましょう」と激励を受けた。

　「５０―５０」を達成した９月２０日は、収穫した新米の乾燥作業に追われていたといい、ＳＮＳで快挙を知ると、家族と知人で喜びを分かち合った。精米（１・８キロ）と玄米（２キロ）を合わせた「５０―５０」セットを販売するとすぐに注文が入り、大谷選手の影響力の大きさを感じたという。

　大谷選手の名前を使う上で、品質には妥協できないという直人さんは、「今年の新米は品質ともに良好に育った。いつか大谷選手にも食べてもらいたい」と話している。大谷米は能代市の道の駅やインターネットで購入できる。「５０―５０」セットは５０００円（税込み）。ホームページ（https://radio5.base.shop/）で販売している。