お礼品も新しく セカンドステージへ進む「ふるさと納税」
自治体へ寄附金を納める「ふるさと納税」への関心が高まる中、寄附に対するお礼品をリニューアルなど自治体の動きも活発化してきている。関係者によると「今年行われた『ふるさと納税制度』の改正後、一般の方の申し込み件数が増えてきています」と話す。自治体による新たな動きが見られる一方で、寄附金の使い道によって地域を選ぶという声も高まってきている。近年の動向を探った。 ここが変わった!「ふるさと納税」改正のポイントを解説
お礼の品や使い道の情報が増えてきた!?
「ふるさと納税」とは、個人が2000円を超える寄附を行ったときに住民税のおよそ2割程度が還付、控除される制度。還付や控除額に上限が設けられているなど細かな規定はあるものの、「寄附先の地域を選べる」「お礼の品がもらえる」「税金の控除が受けられる」など、多くのメリットが聞かれ注目を集めている。 ふるさと納税情報総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクの担当者は「2014年8月から今年8月の1年間で、『ふるさとチョイス』を介したふるさと納税の申込み件数は3.8倍にのぼります」と話す。増加の理由を聞くと「今年4月の税制改正により、住民税のおよそ1割程度だった還付、控除額が2割程度に拡大したことが大きいのでは?」と分析。 また、「多くの自治体が力を入れ、お礼の品や使い道についての情報が増えたことも要因かと思います」と続けた。
「ふるさと納税」に力注ぐ自治体の効果は?
愛知県の中部に位置する高浜市は今月1日、「ふるさと納税」のお礼品を拡充した。ラインナップされた品物の中で目を引くのは、寄附金100万円以上の高額コースのお礼品として用意された「鬼瓦」だ。 瓦産業の盛んな同市ならではの逸品だが、重さ約20キロ、縦横約30センチと一般家庭で使用する瓦としてはやや本格的。高浜市の担当者は「市外の人にも高浜市をより知って頂くために、お礼品の拡充を行ないました。その中で、インパクトのあるものをという思いで、鬼瓦をお礼品の目玉としています」と胸を張る。お礼品の拡充後、寄附金100万円以上の高額コースに1件の申し込みがあったという。 岐阜県・関市は寄附の魅力拡大を図るため、高浜市と同じく今月1日よりお礼品をリニューアル。市の担当者によると「今月に入り10倍近くのペースで申し込みを頂いております。高島屋と提携したお礼品のリニューアルもそうですが、市のPR動画が話題になったおかげかもしれません」と話す。 同市では9月30日に地域ブランドである「関の刃物」をPRした動画を公開。SNSなどで拡散され話題となり、動画サイト「YouTube」で再生回数10万回を超えた。その動画の効果もあってか、「ふるさと納税」のお礼品は「刃物製品」の申込みが多いという。