旧統一教会と「接点あり」の議員、90%超が当選 批判は強かったはずなのになぜ?4月の統一地方選を検証して分かった意外な実態 「データで読み解く政治」
288人のうち、23人は引退などにより立候補しなかった。また、大分にはアンケートに接点を認めた議員が一人もいなかった。つまり、「接点あり」で立候補したのは40道府県の265人だ。 このうち当選したのは40道府県の240人。立候補者の90・6%に上る。接点を認めた立候補者が1人だったケースも含め、神奈川、京都など22府県では全員が当選した。 所属政党別(アンケート回答時)に整理するとどうなるか。自民党は215人の立候補者のうち当選者は196人、落選者は19人。91・2%が旧統一教会側と接点がありながら当選していた。 他の政党では立憲民主党が6人、日本維新の会(政治団体・大阪維新の会を含む)7人、公明党9人、その他1人、無所属21人が、接点があってもそれぞれ当選した。 ▽落選を減らせた要因は…「脱教団アピール」と「なり手不足」 ではなぜ自民党は接点議員の落選者を19人にとどめることができたのか。考えられる要因は大きく分けて2つある。
第1は自民党による「脱教団」のアピール効果だ。自民党は昨年10月、ガバナンス・コード(統治原則)と呼ばれる行動指針を改定、教団側とは今後関係を持たないとの方針を打ち出した。党の都道府県連には関係遮断を徹底するように通知。岸田文雄首相(自民党総裁)は今年3月24日の参院予算委員会で「統一地方選が行われる41の地方組織で対応している」と強調した。 さらに国会では昨年12月、与野党が悪質な寄付勧誘規制を柱とした不当寄付勧誘防止法を成立させ、旧統一教会に厳しい姿勢を打ち出して見せた。 もう一つは、深刻化している議員の「なり手不足」。これも要因になった側面は否めない。接点を認めた立候補者の中には、無投票で当選した人が63人もいた。当選者240人の26・3%に当たり、63人のうち58人は自民党所属だった。自民党当選者196人のうち29・6%が無投票で当選した計算になる。 無投票当選は、定数を超える候補者が集まらない選挙区で発生する。例えば、定数5の選挙区に5人しか立候補しなければ、投票を行わず告示日の届け出締め切りと同時に全員の当選が決まる。