本郷和人『光る君へ』藤原兼家のクーデター計画で出家させられた花山天皇。その後は修行僧のような厳しい毎日を送ることになったかというと…
◆出家前して何が変わったのか 貴人のトップは天皇ですが、天皇が皇位を降りると上皇になり、出家すると法皇になります。 では法皇は修行僧のような厳しい毎日を送っていたのか? というとさにあらず。 既に申しましたように、何をしても良い。出家前と同じように豪奢な生活を送っていた。 貴族も同様です。出家しても何が変わる、ということはない。欲望を捨てて清らかな生活を送り、仏道修行に明け暮れれば「あの人はえらいな」と評価されるでしょうが、それはマストではないのですね。 ただ、問題はその中世的常識がどこまで古代に持って行けるか、なのですが・・・。 僕はだいたい、大丈夫だと思っています。 仏と貴人の関係は、平安時代も鎌倉時代もそれほど変わらない。古代の貴人も出家したからといって、貧しく、厳しく、求道的な生活をした、とは考えにくい。花山天皇も含めて、きっと出家前と同じような、豊かな暮らしぶりだったに違いありません。
本郷和人
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