Cookie なき世界、トロピカーナはリテールメディアでより高度なターゲティングを目指す
GoogleのサードパーティCookieが(とうとう)崩壊しつつある。同時に、消費者が情報を収集する方法はGoogleから、TikTok、Amazon、その他の小売プラットフォームへと拡大している。 こうした背景から、リテールメディアネットワーク事業は盛況で、トロピカーナ(Tropicana)のようなブランドは、こうしたメディアを利用した消費者のターゲティングにますます力を入れるようになっている。
「投資利益率は極めて高い」
過去5年ほどのあいだに、ジュースブランドのトロピカーナは少しずつ広告費をテレビコマーシャルから引き揚げ、テレビを見ない買い物客がオンラインで過ごす場所に再配分してきた。こうした消費者へのアピールには、さまざまな小売パートナーから得られる顧客インサイトがますます重要になってきていると、トロピカーナ・ブランドグループ傘下のトロピカーナでバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるジェームズ・スパルディング氏は語る(同氏はトロピカーナの広告費や小売パートナーの具体名については言及を避けた)。 「詳細は公開できないが、我々が収集できる豊富なインサイトを考えれば、投資利益率は極めて高い」と、スパルディング氏は取材に対しEメールで回答した。「また、小売企業のプラットフォームがますます確立されるなか、(マーケティング)ファネル全体でデータを活用する機会が増加している」。 創業75年を超えるトロピカーナの現在の優先事項は、次世代の消費者のあいだでの認知度と親和性を高めることであり、競争の激しい食品・飲料市場では極めて重要だ。したがって、データに基づきターゲットを絞ったデジタル広告が、TikTokであれストリーミング広告であれ、ブランドのメディアミックスの中核をなすと、スパルディング氏は述べている。 ビビックス(Vivvix)によれば、昨年1月から10月のあいだにトロピカーナは約2900万ドル(約43億1200万円)の広告支出を行っている(ここにはパスマティクス[Pathmatics]のペイドソーシャルデータも含まれる)。この数字は、2022年の同時期のブランドの広告支出である約1700万ドル(約25億2800万円)を大幅に上回る。2022年全体のトロピカーナの広告支出は約2600万ドル(約38億6600万円)だった。