【キャンプで訪ねるみちのくの名湯】美人湯をゆったり堪能できる湖畔の穴場キャンプ場「小野川温泉&市民の森・西向沼」
キャンプやアウトドアレジャーを存分に楽しんだ後に、近くの温泉でほっと一息。日本でも有数の名湯ひしめく東北で、温泉&キャンプ旅におすすめのスポットをシリーズで御紹介します。 【写真】独り占めできる穴場キャンプ場と歴史ある温泉を見る(全9枚) 米沢市街から南へ、県道2号を経て11kmほど。斜平山の南麓から九十九折の林道を登ったところに、西向沼を中心とした「米沢市緑地休養施設市民の森」が広がっています。 敷地内には散策路や展望台が設けられ、新緑や紅葉など四季折々の景色が楽しめる、米沢市民の憩いの場として人気が高い自然とのふれあいスポットです。 敷地の中ほどにある西向沼は、三郎沢山と栃窪山の間の谷あいにひっそり佇む湖沼で、希少生物の生息地としても知られています。氷河期の生き残りといわれるミカズキグサやミツガシワ、国の特別天然記念物に指定されているモリアオガエル、世界一小さなトンボのハッチョウトンボ、トウホクサンショウウオなど。 沼畔は木道の遊歩道で周回でき、タイミングが合えばここでしか見られない動植物に遭遇することも。紅葉の見ごろは10月上旬からで、沼の水面に鮮やかな色を映す様子が見られます。
満天の星空をひとり占めできるプライベート感覚のサイト
この西向沼に近接して、キャンプスポット「こどもの広場」が整備されています。サイトは水場とトイレが隣接する駐車場から、砂利道をやや登った高台に設置。 東屋を中心に芝生が広がっており、一角には使用期間限定ながらかまど場もあるなど、必要な諸設備がコンパクトに整っています。 サイトは小ぢんまりした広さながら、山の中腹にあるため眺望がすばらしいのが特徴。標高は400mほどで、北西側には遠く米沢の市街を見下ろせます。 周囲には民家などがほぼないため、夜になると満天の星空のもと、市街のきらびやかな夜景が広がる様子は、思わず息をのむほどロマンチック。まさに界隈の眺望を独り占めできる、静かで穴場的なキャンプ場なのです。
源泉100%の美人の湯に浸ればお肌の調子も絶好調
市民の森から山麓へ下り、県道234号で大樽川沿いの谷合を7kmほど進むと、小野川温泉の温泉街へと入ります。開湯は1200年前という歴史がある湯で、美人として名高い平安期の女流歌人・小野小町が、旅の道中で病を癒した湯としても知られる名湯。泉質は含硫黄カルシウム泉で、文字通り美人の湯として評判が高い湯です。 大樽川の川岸にレトロな風情があふれる旅館街が広がっており、観光案内所や旅館組合の前などには足湯も設けられ、名物の玉こんにゃくをいただきながらくつろいでみるのもいかがでしょうか。 温泉街には熱めの湯の「尼湯」、浅めの湯船が特徴の「滝の湯」の2軒の共同浴場があるほか、旅館で日帰り利用を受け付けているところも多数あります。 旭屋旅館には寝湯も備えた露天付大浴場、小ぢんまりした小町風呂の2つの浴室があり、いずれも源泉100%のかけ流しが自慢。湯の花が混じった純度が高い湯に浸れば、キャンプでのリフレッシュと肌のメンテナンスに効果あること間違いなしです。
上村一真