日本未導入だけど、気になる1台! 〈メルセデス・ベンツ〉EQV
試乗はフランスの高級リゾートエリアであるニースを中心に行われたが、一充電あたり最大418㎞を航続するEVパワートレイン、街中でのクルーズ感は上々。しかし、少し山側に入るとそのモンスター級の重量がやや邪魔をして、204hpのパワーはややもの足りなく感じてしまった。しかし、この重量をしてロールの変化やサスペンションのタフネスなどは、さすが〈メルセデス・ベンツ〉。ご存知のとおり、Vクラスは商用バンベースのミニバンだ。日本でもその由来は同様だけど、ドイツの同社においては、この商用/乗用のモデルの製造は日本よりももっと明確に、製造ラインはもちろん、会社の部門ですらも厳密に棲み分けられている。そんな中で、近年Vクラスはアジア圏でのタクシー・ハイヤー需要の拡大の追い風を受けて、どんどん乗用車としての質感を高めているイメージだ。 さらに、大前提としてこのEQVは今後、欧州での商用バンの電動化を強く意識して設計・製造。〈メルセデス・ベンツ〉は2030年までに商用バンの50%がEV化すると予測しているのだ。この来たるべき商用バンの電動化に備え、新しい電動アーキテクチャを導入し、こちらも日本未導入の完全商用モデルである“eVito”も人気だという。 ミニバン大国日本でも、なんだか需要がありそうだけど……、続報に期待したい!
文=今井優杏