チーム全体にいい緊張感があります。ソフトバンクは優勝を狙えるチーム【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】
まさに球春到来だな、と感じながら各球場に足を運びました。宮崎へ飛び、キャンプの取材に出向きました。まず初めにヤクルトとソフトバンクのキャンプ取材。YouTubeの「デーブ大久保チャンネル」でその様子を上げていますので、ぜひ見てください。 この取材の中で、これはすごいな、と感じたのはソフトバンクでした。一番すごいなと感じるのは、やはり生目の杜運動公園。この中の野球場のつくりがめちゃくちゃ素晴らしいんです。一軍(A組)が練習をするアイビースタジアムは本当に立派な球場です。そのすぐ隣に第2球場があります。ここは二軍(B組)が使いますが、キャンプがないときは草野球などで使用するだろうな、という球場なのです。 何が言いたいかというと、隣同士なのに、一軍と二軍の差を球場の設備面で見せつけている、ということです。二軍ではやりたくない、一軍でやるんだ、という気持ちにさせてくれます。そういう雰囲気を見ながら、一軍が練習をしているアイビースタジアムへ。 一塁側からグラウンドへ入った瞬間「いい雰囲気だなあ」と。これは今年は強いぞ、と感じ取りました。余計な笑い声はない。コーチ陣の声もほとんど聞こえず、選手たちが声を出しながら練習している。本当にすごく集中してプレーしているという雰囲気が出ていましたね。 少し、黄金期のときの西武のキャンプの雰囲気に似ていましたし、巨人時代の投内連係の練習時のような若干ピリッとした雰囲気にも似ていました。もともと秋山幸二さん、石毛宏典さんなどが西武から移籍したチームですし、王(王貞治ソフトバンク)会長もいまだにチームに影響力があるので、そういう強いチームのエッセンスが見事にミックスしている雰囲気だな、と感じながら練習を見ていました。 何がそう感じさせるのか、具体的に言えば、選手たちが、自分たちのミスを認めないぞ、という姿勢なんです。ミスしたらコーチが注意する、というのではなく、自然に選手同士が指摘し合うのです。これだと選手個々が集中力を持って取り組みますし、指摘した自分がミスするわけにはいかなくなるからです。 そういう雰囲気がある中で、デーブ的には絶対的な正遊撃手だ、と思っている今宮(今宮健太)が、真剣な顔で「レギュラーを奪いにいきます!」と私に言うんです。それくらいの選手層の厚さと緊張感が混ざっているソフトバンクのキャンプ。間違いなく優勝を狙えるチームだと思います。 二軍をのぞいたときには、一軍クラスの三森(三森大貴)もいましたし、リチャードも真剣な表情でバットを振っていました。このように常に競争をしている雰囲気がチーム力を引き上げています。環境の良さもありますし、小久保(小久保裕紀)新監督の雰囲気づくりもいいのだと思います。すごくいいキャンプを見ることができましたね。
週刊ベースボール