【衆院選埼玉】「裏金」大逆風にさらされ 想定外の2千万円「この時期に何故こんなことを」 公明に飛び火し代表落選「自民支持者の票、当落に直結」 <民意の先に・上>
■21年ぶりの擁立 政権批判は、連立を組む公明党にも飛び火した。14区で党代表の石井啓一が落選し た結果は、衝撃をもって全 国で報じられた。県本部幹事長の塩野正行は「批判は日に日に強まり、極めて厳しい情勢を認識しながら最後まで戦い抜いた」と選挙戦を総括した。 公明は全国の小選挙区に石井ら11人を擁立したものの、当選は4人。「常勝関西」と呼ばれた大阪で維新に全敗を喫し、公示前の32議席から8議席減の24議席獲得にとどまった。 「10増10減」の区割り変更で県内小選挙区が15から16に増加し、自民現職が不在となる14区に白羽の矢が立った。昨年3月に石井の公認が決まると、準備を進めていた自民の地域支部が強く反発。幹事長の茂木敏充(当時)が地元支援者への説明を尽くして決着を図った。 県内小選挙区への独自候補擁立は、3期10年を務めた若松謙維が03年11月の第43回衆院選(6区)で落選して以来約21年ぶりで、手探りの選挙戦だった。「公明の得票数よりも自民支持者が圧倒的に多い。自民の協力がどれだけ得られるかは、当落に直結する」と塩野。与党大敗にも公明が小選挙区で勝つには、自民票がどれだけ上積みされるかが勝敗の鍵を握ることを強調した。(本文中敬称略)