柳沢慎吾「“あばよ!”はテレビが元気だったあの時代だから生まれた言葉」キメ台詞誕生秘話と「あばよ」をやめるのを止めた大物俳優
葬式は「あばよ!」で見送られたい!
――2007年には、「あばよ!」をフィーチャーしたセレクションCD「柳沢慎吾セレクション あばよ!!」をリリースされるなど「あばよ!」人気は留まるところを知りません。長らく愛されてきた言葉ですが、なぜここまで人気になったか、柳沢さんご自身のご見解を教えてください。 なんだろう。有名にはなったけど、ずっとスポットライトが当たっていなくて、日陰で生き続けてきた言葉だからかな? 実は「あばよ!」って流行語大賞になっていないんですよ。ノミネートされたことすらありません。 もちろん自分では大賞を獲ることができる言葉だとは思っているよ(笑)。でも逆にそうならなくてよかった。 流行語大賞って一度獲ってしまうと、一瞬は脚光を浴びますが、すぐに消費され尽くしちゃって消えちゃう。そう考えると、「あばよ!」は下手にもてはやされず、美味しいところだけもらって現在まで生き続けている言葉だって捉えることができるかもね。 ――奥が深い! あとは「あばよ!」って「さようなら」みたいな別れの挨拶じゃないんですよ。 ニュアンス的には「また会うときがあったらよろしく!」っていう感じで、関係にシャットアウトしてはいないんです。「また会える」と思える言葉だからこそ、今も愛してもらっているのかもしれないですね。 ――卒業して別々の道に向かうとしても、またいつの日か会える。「あばよ!」はそんな気持ちにさせてくれる不思議な魅力がありますよね。では、つかぬことをおうかがいしますが、「あばよ!」で果たしたい夢とか野望とかってございますか……? やっぱりハリウッド進出じゃないですか! 洋画のラストシーンでグーサイン出しながら「あばよ!」って言いたいもん(笑)。 んで、自分の葬式ではみんなから「あばよ!」って言われながら見送られる。「天国でもいい夢見ろよ!」って。まあそうなることは絶対わかっているから、夢じゃなくて、半ばもう決まっていることだけどね(笑)。 取材・文/中田椋/A4studio 撮影/井上たろう ヘアメイク/宮田裕香子