退職金制度がない会社は何%?「退職金なし」なら、60歳以降は問答無用で「働く」しかないのか
「定年退職すれば退職金が支給される」というのは、当たり前のことではありません。中には、退職金が支給されない会社もあります。もし、退職金が支給されないとしたら、60歳以降も働くほかないのでしょうか。退職金と老後の生活について考えていきます。
24.8%の会社には退職金制度がない
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によれば、退職金制度のある会社は74.9%にとどまっているようです。実におよそ24.8%の会社には、退職金制度が一切存在していないことになります。 さらに内訳を見ていくと、企業規模1000人以上の企業においては、全企業のうち90.1%に退職金制度が導入されていることが分かります。しかし、企業規模300人から999人の企業では88.8%、100人から299人の企業では84.7%、30人から99人の企業では70.1%となっています。 つまり、企業規模の大きい会社では、退職金の支給される企業の割合が高くなるけれど、小規模な会社ほど、退職金が支給されないという傾向にあります。 結局のところ、退職金を得られるかどうかは勤務先次第です。退職金の有無は、就業規則などの勤務先の賃金を決めている規程を確認すれば知ることができるため、気になるようであれば、確認してみるとよいでしょう。
退職金がないなら老後も働かなければならないのか
前出の「令和5年就労条件総合調査」によれば、大学・大学院卒業から20年以上勤務(管理・事務・技術職)しており、かつ、45歳以上の方が受け取る退職金は平均金額で1896万円となるようです。ここから、定年退職で得られる退職金は、老後の生活に大いに役立つであろうことが推測されます。 とはいえ、退職金がなければ、60歳以降も必ず働きつづけなければならないわけでもありません。十分な老後資金が用意されていれば、退職金がないからといって働きつづけなくても済みます。 例えば、老後2000万円の資金を必要とする方の場合で考えてみましょう。このような状況において、退職金が2000万円得られれば、老後にお金の心配をしなくても済みます。 では、退職金を得られなかった場合はどうでしょうか。この場合でも、必ずしも働かなければならないというわけではありません。 就労せずとも、ほかの方法で老後資金をまかなうことができればよいのです。例えば、貯蓄や貯金などで2000万円の老後資金があるような場合です。 つまり、退職金の支給がない場合において、老後に働きつづけることを望まないようであれば、現役世代のうちから、老後に向けて準備をしておく必要があるということです。