退職金が振り込まれました。貯蓄額が4000万円になったのですが、このまま預けていて大丈夫でしょうか。いくつかの銀行に預けた方が安心でしょうか?
退職金などの大きな金額の管理方法を慎重に考えることは大変重要なことです。特に、今回のケースのように貯蓄額が4000万円ほどある場合には、資産を守るためのリスク対策が欠かせません。本記事では、一つの銀行にまとめて預けておく際に生じるリスクをはじめ、お金の適切な管理方法や60代の貯蓄事情などを紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
同じ銀行に4000万円まとめて預けておくリスク
退職金を含む大きな金額を手にした場合には、管理方法を慎重に検討する必要があります。リスクを避けて資産を守るためには、分散預金や資産運用を考えることが大切です。ここでは、3つのリスクについて紹介します。 ■預金保険制度(ペイオフ)が適用されない 預金保険制度(ペイオフ)は、金融機関が破綻した場合に預金者を保護するための仕組みですが、預金額が全額保護されるわけではありません。預金額が1000万円を超える分に対しては、保証が適用されないため注意が必要です。例えば、退職金を含む4000万円を預けていた銀行が破綻した場合、1000万円までは保障されるものの、残りの3000万円は返還されない可能性があります。そのため、複数の金融機関に分けて預けることがリスクヘッジとして有効です。 ■金利が低いためお金が増えない 近年は超低金利時代が続いています。仮に1000万円を金利0.3%の銀行に10年間定期預金として預けた場合、その利息は税引き後でわずか24万円程度にしかなりません。また、インフレ率によっては現金の実質価値が目減りすることになるでしょう。
貯蓄が1000万円を超えたら分散してリスクを減らそう
貯蓄額が1000万円を超えた場合、金融機関の破綻時に備えて資産を分散させることが大切です。特に、預金保険制度(ペイオフ)を意識した対策を行うことで、リスクを減らせます。 ただし、家族の名義を借りて開設した銀行口座に預けた自分の資産は他人名義のものとして扱われるため、ペイオフの対象外となることに注意が必要です。 なお、証券口座に資産を移す方法もあります。証券会社は顧客の資産を分別管理する義務があるため、仮に証券会社が破綻した場合でも、預けている資金は保護されます。そのため、証券口座への資産移行も一つの選択肢といえるでしょう。