[名良橋晃]パリ五輪で感じたスペインとの文化の差 U-23リーグの創設を提案
現状を変えるためにU-23リーグの創設を提案
サッカーでは個の技術、戦術、メンタル、すべてが大事でひとつでも欠けるとそれが結果となって表れます。個の能力を磨くのも大事ですが、戦術面をどの年代で落とし込むかでまだまだスペインと差があるなと感じました。 スペインは小さいころから教え込まれていると感じます。日本はやっているところもあるかもしれませんが、まだはっきりしていないです。これまで勝っていたことで見落とされていましたが、負けたことでより鮮明になりました。 あの雰囲気&プレッシャーのなか、止める、蹴る、運ぶ、スペースをどう使うかに関して、全員がどれだけできていたか? どうゲームプランを練って、それを実行できていたか?一人一人をみるとスペインのほうがクレバーでした。 この年代は育成の最終段階で、どういう戦い方をしていくのかしっかりと考えることが日本サッカーの発展につながります。A代表に関わる問題であり、サッカー協会としてU-23をどう強化していくのか、突き詰めないともったいないです。 難しいことだとはわかっています。主力はA代表にいくし、海外でプレイする選手も多いです。クラブではスタメンで出ていても、U-23ではなかなか出られないケースもあり、モチベーションや競争をいかに生み出すのか。取り組まないといけない課題が見え隠れしているのに、良い方法論、明確な答えが出てこないです。 個人的な意見としては、昔にあったサテライトリーグのような大会があればと思っています。この年代の選手は試合に出ないとなにも吸収できないです。いまのJリーグには育成型期限付き移籍がありますが、行った先で試合に出られるとは限りません。人もお金もかかるので難しいと思いますが、U-23リーグがあればと考えています。 こうしていろいろな人が意見を出し、本音をぶつけ合えばいいのではないでしょうか。U-23リーグができなくても、なんらかの変化が起こればいいことです。一人一人が自分の思いをぶつければいいと思います。 以前にも指摘しましたが、私はいまの日本サッカーは守備の文化が薄くなっているなと感じています。攻め倒して勝つのは絶対的に難しいです。ゲームプランとして、もう一つ二つはあったほうがいいです。スペイン×フランスの決勝では、スペインがうまくフランスの攻撃をいなしていました。そういう文化をどの年代から作っていくか、これは大きな課題だなと感じたパリ五輪でした。
構成/ザ・ワールド編集部