岸田総理、実はサプライズ好き…言動が予測困難過ぎて永田町騒然「ひょっとして衆院解散も」
▽意表突く局面転換、過去にも 岸田首相は、サプライズで局面転換を図る手法に成功体験を感じているのかもしれない。 始まりは、第100代首相に就任した2021年10月4日のことだ。首相就任の記者会見に臨むと、10日後の14日に衆院を解散し、衆院選を19日公示、31日投開票の日程で実施すると表明した。 確かに衆院議員の任期満了は21日に迫っていたが、菅義偉前首相の退任と岸田内閣の発足を考慮すると、衆院選投開票は11月になるというのが大方の見立てだった。就任から間髪置かない衆院解散判断には、対する野党も「奇襲だ」と慌てる。選挙戦では与野党の接戦区も少なくなかったが、自民党は単独で安定多数と呼ばれる議席確保に成功した。 2022年8月10日の内閣改造・自民党役員人事も意外なタイミングだった。党役員任期に合わせて9月と予想する向きが党内外に多かったが、見事に裏切った格好に。7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の関わりが取り沙汰される中、早めに手を打つ狙いがあったようだ。
なぜ岸田首相はサプライズを好むのか。答えのヒントは、党内基盤の弱さにあるのではないだろうか。 足元の岸田派は、党内6派閥のうち第4派閥に過ぎない。最大派閥を足場にした安倍元首相とは状況が大きく異なる。このため岸田首相は政権運営の上で、麻生副総裁や茂木幹事長との連携を図ってきた。麻生派は第2派閥、茂木派第3派閥だ。こうした状況下で、自ら主導権を握るために編み出したのがサプライズ演出ではないだろうか。 ▽想定外の衆院解散におびえる永田町 いま永田町では「岸田首相は何を考えているのか、さっぱり分からない」(自民党中堅)という首相評が定着している。そんな中、与野党問わず最大の関心事は、首相がいつ衆院解散権を行使するかという一点にある。衆院解散は一口に言えば「衆院議員の首を切る行為」。選挙後に再び国会へ戻れるのか、命運を握るのは首相というわけだ。 衆院議員任期4年間は、この春で2年半を経過する。来年は参院選も控えていることを考えると「岸田首相は年内に衆院解散・総選挙に打って出るのではないか」との見方は広がっている。最近では、米国への国賓待遇訪問前後の「4月説」や、所得税の定額減税が始まる「6月説」などのうわさが永田町を飛び交う。
岸田首相は自らの考えを周囲に気取らせないのが常。自民党幹部すら真意を探るのは容易でないようだ。 岸田首相は3月4日の参院予算委員会で、4月の衆院3補欠選挙とタイミングを合わせる形で衆院選に持ち込むのではないかと聞かれ「全く考えていない」と答えた。この発言に関し、森山総務会長は翌5日の記者会見で、読めない首相心理をこう解説した。「昨日の予算委員会の発言はその通りだと思います。昨日はそうだったんだろうと思います。昨日までは」