岸田総理、実はサプライズ好き…言動が予測困難過ぎて永田町騒然「ひょっとして衆院解散も」
党内に波紋を広げた結果を、首相周辺はこう振り返った。「今回の判断は、膠着状態を打破するためリーダーシップを発揮する姿を見せたプラス効果だけでは済まなかった。やはりマイナス面もあった」 ▽首相が愛した派閥 岸田首相は1月にも周囲を驚かした。昨年12月まで自ら率いてきた岸田派(宏池会)の解散表明だ。 1月18日夜、岸田首相は官邸で記者団にこう語った。 「解散についても検討している。政治の信頼回復に資するものであるならば、そうしたことも考えなければならない」 この日朝、東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で岸田派の元会計責任者を立件する方針を固めたと報じられた。首相は昼間、ひそかに岸田派幹部を官邸に順次呼び集め、派閥解散の了解を取り付けた。そして翌19日にも「政治の信頼回復のために宏池会(岸田派)を解散する」と改めて表明した。 宏池会と言えば、岸田首相と同じ広島県出身の池田勇人元首相が1957年に創設した、党内で最も歴史を持つ派閥だ。岸田首相を含めて5人の首相を輩出してきた。岸田首相自身も昨年12月に派閥を離脱するまで11年間にわたり会長を務め、人一倍「宏池会愛」が強いとされる。それだけに解散表明のインパクトは大きく、岸田首相の強い覚悟がにじんだ。
首相は党内の他派閥について問われると「他の派閥のありようについて何か申し上げる立場にない」と踏み込むのを避けた。だが、特捜部が派閥の会計責任者や自民議員らを立件したこの日、安倍派と二階派も派閥解散の方針を決断する。二階俊博元幹事長は首相と相談したわけではないとしつつ、岸田派解散の決断について「影響が全くないと言えばうそになる」と明かした。 続いて森山派も25日、解散方針を表明。会長の森山裕総務会長は「断腸の思いだが、政治の信頼を取り戻すために決めた」と語った。 一方で、麻生派を率いる麻生太郎自民党副総裁、茂木派領袖の茂木敏充幹事長と、岸田首相との関係はきしみが生じた。麻生派、茂木派は政策集団の形で、議員の集まりとしては存続すると決めた。それでも「政治資金収支報告書に記載しなかった特定の派閥が悪いのに、派閥全てが悪者にされている。守旧派のレッテルを貼る気か」と岸田首相への恨み節が漏れる。