エモすぎる描写…! 昔の少女漫画の必須アイテム「ラブレター」の登場シーンを振り返る
本日5月23日は、「恋文(ラブレター)の日」であることをご存知だろうか。これは昔公開された『ラブ・レター』という映画の公開日に合わせ「523(こいぶみ)」と、ゴロを合わせたことがきっかけである。 ■【画像】「ゾクゾクした」美しすぎる一条ゆかり氏の「ホラー」描写■ 今では、ラブレターを見たり書いたりすることはめっきり減ってしまった。しかしスマホがなかった昔の時代、愛の告白といえば手紙に書いて渡すのが主流だったように思う。今回はそんな愛のメッセージを伝える大切なアイテム「ラブレター」が登場する昔の少女漫画を紹介したい。
■文章がエモい! 昭和40年代のラブレター『アタックNo.1』
まずは、今から50年以上も前に一世風靡した少女漫画、浦野千賀子さんの『アタックNo.1』から紹介したい。本作は、1968年1月から1970年12月まで『週刊マーガレット』(現:『マーガレット』(集英社))に掲載された作品だ。バレーボールがテーマの“スポ根少女漫画”としても知られているが、バレーボールに賭ける少女たちはそれなりに恋愛をしていた。 主人公・鮎原こずえは、バレーが好きな女子中学生。バレーを通じて早川みどりと親友になるが、みどりはこずえの幼馴染でありいとこである一ノ瀬努に恋をしていた。 ある日、みどりは努に手紙を渡してほしいとこずえに頼む。人気のない場所に努を呼び出し、みどりからのラブレターを渡すこずえ。手紙には「努さん いぜんのように楽しく交際できたら わたしはしあわせです…」と書いてあった。 昭和40年代とあって、“交際したい”との文面はなんともエモい。本作にはこのほかにもカップルに向かって“健全な交際をしなさいよ”とたしなめるシーンもあったりと、当時の学生における男女交際への向き合い方がうかがえる。 ちなみに先ほどのラブレターのシーンにはオチがある。手紙を読んだ努は差出人をこずえだと思い込んでしまい「じつはまえまえからぼくもきみのことは…」と、こずえに告白してしまうのだ……。 残念なことにフラれてしまったみどりだったが……しかし人気のない場所に好きな人を呼び出してラブレターを渡すのは、昭和時代の愛の告白においてスタンダードだったように思う。