神戸の三木谷オーナーはなぜバルサ招待試合会見で質疑応答を行わなかったのか?
もっとも、度重なる怪我の影響もあり、今シーズンのサンペールは1試合、わずか33分間しかプレーしていなかった。体だけでなくゲーム勘なども戻す作業が必須だったが、3月30日のガンバ大阪戦からボランチとして先発に定着。しかし、その後、ガンバ戦を含めた3試合で9失点と守備が崩壊している。 最大5人がベンチ入りおよび出場ができる外国籍選手枠の関係で、サンペールと入れ替わる形で、3試合をセットプレーによる2失点に抑えていた韓国代表GKキム・スンギュがメンバーから外れたことと、何よりもサンペールの状態がいまひとつという点が大きく響いている。 リージョ監督の辞任を受けて、元ドイツ代表のFWルーカス・ポドルスキは昨シーズンから務めてきたキャプテンを返上するとツイッターで表明。一夜明けた18日にも憶測を呼ぶ呟きを投稿した。ヴィッセルのチームカラーである赤色を背景とした画像には、<#Fact(事実)>というタグと100点満点を意味する絵文字とともに、こんな英字が描かれていた。 <Stop expecting Loyalty from people who can’t even give you honesty> 和訳すれば「あなたに対して誠実さすら捧げられない人々から、忠誠を期待することはやめた方がいい」となる言葉は誰に向けられたものなのか。あくまでも推測の域を出ないが、文中の<あなた>が三木谷オーナーだとすれば意味は通じる。 ビジャのポジション、三木谷オーナーの肝いりで加入したサンペールの先発起用に伴う守備の崩壊、そしてリージョ監督の辞任。一連の流れがポドルスキの胸中に怒りを募らせ、キャプテン返上と意味深なツイートにつながったととらえれば合点がいく。 後任にはリージョ監督の就任に伴って退任し、強化部入りしていた吉田孝行氏(42)が再登板した。引き続き「バルセロナ化」を進める観点で見れば現状維持か、あるいは逆行するような人事にも映る。本家バルセロナと対峙する7月には、ヴィッセルはどのようなチームになっているのだろうか。 (文責・藤江直人/スポーツライター)