「衰退」してばかりの日本は世界から取り残される「ヤバい現実」
小粒ながらキラリと輝く国へ
日本社会全体の縮小は避けられないが、その点、先んじて戦略的に縮み、太刀打ちできる体制を整えておけば一緒に沈まずに済む。日本の産業は幅広い。中には外国に任せざるを得ない分野が出てくるかもしれないが、人口減少社会を招いてしまった以上は仕方がないだろう。小粒ながらキラリと輝く国を目指すことだ。 戦略的に縮むことで人材を伸びる分野にシフトさせていけば、経済成長につなげやすくなる。繰り返すが、少子高齢化や人口減少が進む状況において最も必要とされるのは経済成長である。経済成長さえ続けられたならば、社会保障費の不足をはじめ人口減少がもたらす弊害のかなりの部分が解消する。 そうした意味では、「戦略的に縮む」ことで伸びる分野をいかにたくさん作れるかが、今後の日本の行く末を左右すると言ってよい。「戦略的に縮む」ことなく、見当違いな経営を続けて企業が満遍なく衰退していったならば、日本そのものが傾いていく。 つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、「ポツンと5軒家はやめるべき」「ショッピングモールの閉店ラッシュ」などこれから日本を襲う大変化を掘り下げて解説する。
河合 雅司(作家・ジャーナリスト)