ももいろクローバーZ登場!「15年を過ぎても私たちの青春は続く」
【音楽通信】第157回目に登場するのは、結成15周年というアニバーサリーイヤーを駆け抜けている永遠の週末ヒロイン、ももいろクローバーZ! 【画像】思わず拝みたくなるほど神々しい! ももいろクローバーZのショット集はコチラ。
中学生から活動してきて15周年は感慨深い
【音楽通信】vol.157 百田夏菜子さん、玉井詩織さん、佐々木彩夏さん、高城れにさんの4人からなるガールズユニット通称“ももクロ”こと「ももいろクローバーZ」は2008年に結成され、2010年にメジャーデビュー。 2014年に女性グループとしては初めて国立競技場での単独ライブを成功させ、2016年にはドームツアーを開催するなど数々の偉業を成し遂げ、アイドルシーンを牽引してきました。 そして2023年、グループ結成15周年を迎え、2024年5月8日には7stアルバム『イドラ』をリリースされるということで、今回、ももいろクローバーZのメンバー全員にお話をうかがいました。 ――2024年5月まで結成15周年のアニバーサリーイヤーとなりますが、これまでを振り返ってみていかがですか? 百田 すごく不思議な感じです。周りのかたにも「15周年なんです」と言うと「何歳から活動してたの?」と驚かれることも多くて(笑)。中学生から活動していますが、アイドル活動に限らずさまざまな変化がある10代や20代という時期に、ずっとももクロとしてやってこられたんだなと思うと、感慨深いです。 玉井 結成10周年からの5年間がとくにあっという間だったなと。もともとはこんなに長く続けていくグループになると思わなかったので、正直私たちが一番驚いているところもあります。でもそれと同時に15年という長い間続けてこられているのは、やっぱり応援してくださるファンのかた、周りのかたの支えがあってこそなので、すごく感謝しています。アイドルで15年というとベテランの域に入ってくるのかもしれませんが、感覚的にはいつまでもまだまだだな、という気持ちを持ちながら続けていられることが幸せです。 佐々木 こうやって取材していただいていると「本当に15周年なんだな」と、やっと実感するぐらい、あまり自覚はないのですが、思い返してみればすごく濃厚な15年間でした。ここまで続けてこられたのはファンのみなさんが一緒についてきてくれたからです。コロナ禍でライブに行けない時期を経て、昨年からはようやくツアーでみなさんのところに会いに行って楽しい時間を共有できる、お礼の気持ちを伝えられる時間ができているので、良いアニバーサリーイヤーになっています。 高城 みなさんから祝福の言葉をいただくと、あらためて「15年間やってきてよかったな」と思いますし、あっという間の15年でした。結成当時、私たちはまだ学生だったので、ももクロは本当に青春を駆け抜けている感じがして。15年を過ぎてもなお私たちの青春は続いているという印象がありますね。 新作は“アイドルの冒険”と歩いてきた道が凝縮 ――2024年5月8日に7stアルバム『イドラ』をリリースされます。まずアルバムタイトルの意味からお聞かせください。 百田 「イドラ」はラテン語で「偶像」という意味で、アイドルの語源とされている言葉でもあります。今回のアルバムは、ヒーローをモチーフにしているんですが、私たちとしては“アイドルの冒険”という意味合いもあって。新しい曲も収録されていますが、いままで歌ってきている曲も入っていますし、どれもファンのみなさんと歩いてきた道を思い起こさせるような言葉が歌詞にも詰め込まれています。 ――新曲を中心に収録曲についてお聞かせください。まずリード曲の2曲目「Heroes」は元気をもらえる新曲ですね。 玉井 この曲は、アルバム全体の流れでいうと、冒険の始まりがテーマとなっています。これまで活動してきた15年がアイドルとしての旅や冒険のようで、素晴らしい景色を見てきたというベースがあるので、この曲には新たな出発という意味も込めています。旅の始まりということで、サビはキャッチーですし、明るい曲になっています。 佐々木 これから何かに挑戦されるかたの背中を押せるような曲です。私たちも歌っていて、この曲に勇気づけられますし、前向きな気持ちになれる曲ですね。 ――5曲目「MEKIMEKI」は、和風テイストも楽しめる明るい楽曲です。 百田 日本郵政さんの「カラダうごかせ!ニッポン!」プロジェクトのタイアップの新曲です。4人で担当が分かれていて、4パターンの違うテンポやリズムが楽しめる楽曲になっています。私はマッスル担当(笑)なので、勢いのあるパートになっていますが、リラックス担当だとゆったりしたメロディに音楽が切り替わるので、面白い曲。老若男女問わず、みんなでカラダを動かして健康になろうというのがテーマです。 高城 あーりん(佐々木彩夏)はエアロビクス担当で、しーちゃん(玉井詩織)はストレッチ、(百田)夏菜子ちゃんはマッスルだから筋トレ担当。一方、私が担当させていただいたのは、心のストレッチなんですよ。リラクゼーションがメインなのでそこまでカラダを動かすことなく、ほんわかとやらせていただいたので、全然筋肉痛にならなかったですね。 佐々木 私たちは、ミュージックビデオでもしっかり体操して、翌日筋肉痛に(苦笑)。そんなハードな体操ではないんですが、普段使っていない筋肉を動かせるようになっているので、曲と合わせて楽しんでいただけたらなと思います。 ――8曲目「桃照桃神(ももてらすももみかみ)」は、スパイスのきいたラップを聴かせる楽曲ですね。 佐々木 私たちのアルバムはラップ曲が1曲入るのが定番なので、今回も収録しました。歌詞には、いまの状況とリンクするワードがたくさん盛り込まれています。 百田 アルバムの流れで言ったら、覚醒の部分になる曲。かっこいいラップ曲で、ひと味違うスパイスになっています。4人のマイクリレーが心地よく、細かい韻もたくさん踏んでいるので、スピード感のあるイケイケな曲になりました。ももクロらしさもありつつとてもダンサブルなので、ぜひライブで披露するときはみなさんに盛り上がってほしいですね。曲名の「桃照桃神」は、神様の「天照大神」からきているのですが、今回はアルバムのジャケットも衣装も、女神様からインスピレーションを受けた要素を入れ込んだものになっています。 ――浮遊感のある10曲目「追憶のファンファーレ」はいかがですか。新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」などの作曲をされているyonkeyさんが担当ですね。 玉井 アルバムのなかで唯一スローなテンポの曲です。冒険していくなかでの挫折を歌った曲になっていて。私たちも15年活動していると、すべてがうまくいくことばかりじゃなかったり、辛かった経験もあったりします。きっとみなさんも人生においてそういう経験があると思うんですが、そんなときにちょっと寄り添ってくれるような曲。その経験を受け入れて、これからの旅に進んでいくというイメージです。 ――13曲目「Friends Friends Friends」は小気味良い楽曲です。 百田 清竜人さんの曲ですね。 佐々木 前回作っていただいたのが、6、7年前とか? 高城 そうだったかな? 佐々木 久しぶりに清竜人さんに曲を作っていただいたのですが、竜人さん節が炸裂していて。メロディラインにいろんなメロディが出てきて、覚えるのは大変でした。曲名に「Friends」とありますが、友達はもちろん、私たちとファンのみなさんの関係性だったり、家族だったり、メンバーだったり。そんないろいろな意味を含めた、大切な人という意味の「Friends」です。みなさんの大切な人にあてはめて聴いていただけたら、共感してもらえるところもたくさんあるんじゃないかな。 百田 清さんは、可愛い歌詞の印象があって。乙女心を歌詞や曲にして作ってくださることが多いので、最初にこの曲を聴いたときに恋の歌なのかなと思ったんですが、友達の歌でもありました。そして何よりもキーが高くて、清さんと一緒にレコーディングをしていても、キーが高すぎて運動部の部活をやっている気分になるくらい(笑)。冬なのにめちゃめちゃ汗をかいて、走った後みたいでした。そのくらいエネルギーを使う曲なので、ライブでも盛り上がるんじゃないかなという1曲です。 ――アルバムの最後を飾るタイトル曲「idola」は壮大な楽曲で、歌詞は神の啓示のような印象すらありますね。 佐々木 すっごい難しい曲です。 玉井 その通り! 高城 本当に! 全員 過去一難しい曲。 佐々木 聴いているぶんには耳心地がいい素敵な曲なんですが、歌入れは本当に難しかったです。いらいらしながらやりました(苦笑)、「歌えないんだけど」って。 玉井 あーりんは歌入れのときトップバッターだったもんね。 佐々木 そう。なんで私がトップバッター!? って。私たちは個別にレコーディングするんですが、終わってすぐみんなに「やばいよ」って(苦笑)。 玉井 大変だというウワサがどんどんまわってきて(笑)。あの曲はやばいらしいと。 高城 私が一番最後にレコーディングしたんですが、録り終わったメンバーが口をそろえて「れにちゃん、これ絶対できないよ」って(笑)。 玉井 すぐ伝えたよね(笑)。 高城 私はもともと3拍子の曲が苦手なのですが、この曲は3拍子も5拍子もあってリズムの取り方が難しいから、レコーディングも大変だと思うと事前に聞かされていて(笑)。ただ、すごく世界観がありますし、アルバム全体を通してわりとポップな感じやかっこいい感じの曲が多いからこそ、最後にこの曲でギュッとしまるかなと。大事なポジションにいる曲ですね。 佐々木 アルバムを締めくくる曲なので気合いが入ったところもあるんですが、NARASAKIさんと只野菜摘さんという、私たちも昔からお世話になっているおふたりのタッグ曲なので、みんなの気持ちもたくさん詰まった思い出深い1曲になっています。 百田 未だに難しいなと思っていて…。 玉井 ライブで歌えるだろうかと、ちょっと心配になっています。 高城 大丈夫かな…。 佐々木 レコーディングは無事終わったものの、恐ろしい曲ですね(笑)。私たちの挑戦の1曲だったかなと思います。 ――どんなふうにアルバムを聴いてほしいでしょうか。 高城 ヒーローの冒険がベースにあるアルバムですが、みなさんにもきっと自分にとってのアイドル的存在やヒーローがいたり、自分がヒーローの立場になることもあり得るかと思います。そしてどんなに強い人でも、出会いや挑戦、挫折があると思いますが、そういったいろいろな場面で共感してもらえる楽曲がたくさんありますので、そのときどきの楽しみ方で聴いてほしいですね。