高橋宏斗に中山礼都… 『世代最強』のチームを率いた男、「仲間を追いかける形になるけれど」新天地でプレーへ
◇記者コラム「Free Talking」 コロナ禍の“最強チーム”を率いた男が、来春から新天地でプレーする。東京六大学野球の早大・印出太一捕手(4年・中京大中京)が、今夏の都市対抗大会を制した三菱重工East(横浜)に加入する。 新型コロナウイルスの流行で春夏ともに甲子園が中止になった2020年は、高校3年生。高橋宏斗投手(現中日)、中山礼都内野手(現巨人)らを擁して2年秋に明治神宮大会を制し、「世代最強チーム」と注目された中京大中京を主将としてけん引した。早大でも、伝統校の主将を務め、4年時に春秋連覇を果たした。 今秋の明治神宮大会は初戦の2回戦で、環太平洋大に延長10回タイブレークでサヨナラ負け。神宮球場は高校で日本一になり、大学リーグで4年間プレーして引退の場所にもなった。「初めて日本一になって、早稲田でも優勝を意識して最後までここを目標にしていた。ふるさとみたいな球場で、また試合ができたら」と振り返った。 印出の上を目指す挑戦は続く。学生野球に別れを告げた直後の12月、母校・中京大中京高で2週間の教育実習があった。保健体育の授業を担当し、放課後は野球部の練習で後輩と体を動かしたり助言をしたり。「中京の大事にしている魂の部分は受け継がれていた。やっぱり甲子園で勝って日本一を目指すチームだと」。グラウンド内での全力疾走や、1球に対する集中力に受け継がれた伝統を実感した。 後輩に刺激を受け、新天地へと臨む印出に高橋源一郎監督(45)もエール。「すぐ試合に出られるほど甘くはないと思うけれど、どこのチームにも必要とされる人間力がある」 高校では高橋宏、中山がプロ入り。自身もプロ志望届を出した今秋のドラフト会議では、チームメートの吉納翼外野手(楽天5位)と山県秀内野手(日本ハム5位)が指名を受けた。 「野球を続ける以上、プロは目指していく。高校、大学の仲間を追いかける形になるが、まずはレベルの高い社会人でチームの戦力になりたい」と印出。新たな場所でまた一から居場所をつくっていく。(アマチュア野球担当・石曽根和花)
中日スポーツ